子供用の机

新年一発目の投稿は子供用の机です。

椅子はそこそこ良さそうなものがAmazonですぐ見つかったのですが、机となるとこれといったものがなく、しかたなく自分で作ることにしたわけです。昨年末にちょこちょこ作り始めてようやく完成となりました。

集成材をビスでシンプルな箱型に組み立てて、その上に水性塗料&水性ウレタンニスで塗装しました。サイドの赤い部分はアサヒペンの水性塗料、天板のナチュラル部分および赤い部分のコーティングにはワシンの水性ウレタンニスを使用しました。

工夫したポイントは、引き出し&ネコちゃんのくり抜き。このくり抜き部分は若干の軽量化と持ち運ぶ時の取手という機能も兼ね備えています。

子供用の椅子を買うとなるとやはり安全性が気になるところですが、今回Amazonで購入した『MAMENCHI』製の子供用の椅子は見た目以上に頑丈で(昨年11月から使用していますが)今のところ壊れたりする様子はありません。外見に関しては好き嫌いが分かれるかもしれません(実は筆者も「もう少しクラシカルなデザインがいいな」とは思いました)が、頑丈なところが何より安心感があります。

今回使った塗装コンビ(使用後の写真ですみません……)。水性ウレタンニスは初めて使ったのですが、使用感も仕上がりもなかなかよかったのでギターでも使って見ようかなと思っております。

さて2021年。まだまだ安心できる世の中にはなりそうもありませんが、どうにか適応してゆきたいものですね。

自作ファイヤーバード(21)指板はがし

さて。前回、指板が曲って接着されてしまうという悲劇にみまわれました。

あれほど念入りに位置合わせを行ったにもかかわらず一体なぜ?

原因は単純なもの。センターラインの罫書きがズレていたから。そりゃぁ曲るに決まってます。しかし工作には失敗はつきもの。こうしたトラブルも、のほほんと楽しんでゆこうではありませんか。

……。

ウソです。今回ばかりはそんな余裕の欠片もありませんでした。頭を抱えて「うぎゃあああああ」と数週間悩み続け、いろいろ対処方を考えました。

プランA)このまま両サイドをネックごと削って無理矢理センターを合わせる。

プランB)曲ったままセンターのズレたギターとして製作を続ける。

プランC)素直に指板を剥がして貼り直す。

考えた末、プランCでゆくことにしました。少しでもまともなギターにするには、やり直すしかありません。幸い、今回はハイドグルーというニカワのボンドを使ったので、タイトボンドに比べて剥がすのも簡単ですから。たぶんですが。

いろいろ調べた結果。指板は「暖めて剥がす」らしい事がわかりました。実は現在、ヘッドの折れたジャンクギターを何本も買い集めており、これらを直すには指板を剥がすケースもあるだろうなぁ、とは思ってチョコチョコと勉強しておりました。しかしまさかこんなに早く実践する時が来ようとは……。まあでも人生ってそういうものな気もします。

指板を暖めるツールとしてメジャーなのは、どうやら『シリコンラバーヒーター』なる物。これについては調べるまで聞いた事がなかったのですが、グニャグニャしたゴムみたいなものが電気を通すと温かくなるという物体。早速Amazonで購入して実験。

交流電源を使うのはメチャメチャおっかないです。皆様もお試しの際はくれぐれも自己責任でやりましょうね!!!

実験の様子。エンジ色のペロンとした奴が『シリコンラバーヒーター』これ系の専用の温度計は高価なものばかりだったので、天ぷら用の温度計を使いました。だいたいわければいいよね、という事で。上の木材は重りです。
温度調節装置を介し電源をつなぐと、見る見る温度があがり、すぐに熱々になりました。2〜30分経過したところで100度超え! なるほど。そういう感じね。

では本番。

ファイヤーバードの指板にシリコンラバーヒーターを乗せて電源をつなぎます。20分ほどて熱々状態。指板のボディ側からスパチュラを差し込んでゆきます。

焦らず慎重にグイグイとヘッド方向へ進めて、指板をネックから剥がしてゆきます。

30分ほどかかったでしょうか。ついに指板とネックの完全なる分離に成功。なんというか、思ったより簡単でした。事前にシリコンラバーヒーターのテストをしたのがよかったのかもしれません。ハイドグルーのテストもしておけばパーフェクトでしたね。

剥がした指板は、熱によるものか、剥がした時に力が加わったせいなのか、準反りにひん曲がりました。一応クランプで元に戻してみようと思いますが、これが再利用できるかはまだ不明です。

ともあれ、人生で初めての『指板貼りつけ』は失敗しましたが『指板剥がし』は大成功! やったやったー!

ギター作りの長い道のりはつづきます。

自作ファイヤーバード(20)指板接着

毎度毎度「はたしてどの順番でやってゆけばよいのか?」と頭を捻ってきたわけです。まあでも、このあたりまで来ると、どこからやっても大きくは失敗しないですみそうな気がしてきました。

そろそろ指板を貼りたくなってきました。

実はネックの指板面、いまいち完全な平面が出ていないのですが……、しかしこれ以上削ると、いつトラスロッドがビヨヨヨ〜ン! と飛び出してきちゃうかわからないので。

貼っちゃいましょう!

まずは位置を決めたら、細いクギを打ってガイドにします。これによって接着する時に焦りながら微妙な位置の修正をしなくてすむというわけです。クギはフレット溝に打ち込み、後で抜きます。

今回、指板接着用に用意したのは、いつものタイトボンドではなく『ハイドグルー』なる茶色い新顔。

通常のタイトボンドはいわゆる硬質な木工用ボンドですが、こちらはニカワが主成分。タイトボンドに比べて後で熱などを加えて剥がしやすい(らしい)のです。

貼り付けて一生剥がさないのであれば問題ないのですが、もしもいつか「ああ……フレットの位置がおかしい……」「ネックが反ってしまってどうにもならない……」など様々な悲劇が発生した時、いつでも指板を剥がせるようにコイツを使うことにしました。

これでもかというくらいにハイドグルーを塗って、これでもかというくらいにクランプで固定。あとは丸1日以上放ったからかして乾くのを待つだけです。うまくくっつく事を祈りましょう〜☆

しかし……。しかししかし……。

この後、思いもよらぬ悲劇が待っていました。

微妙に曲ってくっついてしまったのです!!!!!

ぎゃーーーーーーーーーーー!!!!

(つづく)

栓抜き抜きマルチツール

久々の更新となりました。
自作ファイヤーバードの方は……ちょいと問題が発生しまして……解決次第、顛末をアップしようかと思っております。

雑誌の付録が豪勢になって「もはやどっちが付録かわからない」なんて事も当たり前な世の中。かくいう筆者もその手のものに手を出してしまった事も一度や二度ではなく。

で今回「むむむ!」と何かを揺さぶられ、購入してしまいまったのが『DIME』11月号
床屋や美容室、銀行など、あちこちの待合スペースでおなじみの物欲情報雑誌(?)です。かつては付録なんてついてくるような雑誌ではなかったはずですが、いつのまかそっち系になってたんですね。



この11月号の特集は『オンラインビジネス超入門』。オンラインビジネス……まったく知らない世界です。なにやらいつの間にか、いろんな人たちが、新しい形態の仕事をしていたみたいです。すごいですね。

もちろん、筆者が何かを揺さぶられたのは特集ではなく『付録』の方。
その名も『マルチレンチ&ツール14』!!!!

マルチツール。ビクトリノックスとか、レザーマンとかいろいろ有名ですが、いわゆる昔でいう十徳ナイフ。「いろんな道具がこれ一個に収まってるぜ!」という若干中二心をくすぐられるアイテム。昔から弱いんですよ……こういうのに。

まあ、この手のものって……正直……「本当にこれ使うのか?」と真顔で聞かれると「ええと……」と目を反らしてしまいそうなものばかりです。筆者もここ10年くらいマルチツールのお世話になった事はありません。そりゃそうです。一つの作業に最適化された道具の方が使い安いに決まってますから。

今回の付録版『マルチレンチ&ツール14』も、まあ実のところそこまで便利かって言われるとどうなのよ? というレベル。作りの方もまあ「付録なら」というレベル。しいて言えば「3種類のボックスレンチ」がついている点が面白いかな? という感じ。(その分異様にデカイんですけど)

じゃあなぜ? 何が筆者の何かを「むむむ」と揺さぶったのか?
それは……、

「栓抜きがついてないから!」

そうなのです。
世の中のマルチツールと呼ばれる製品には、ほぼ全て……と言ってもいいくらい「栓抜き」機能が含まれているのです。
一体なぜ? 
栓抜きって……そんなにいる?

筆者個人の記憶を辿るなら、この10年以上……自分で「栓抜き」を使った事がありません。

使っているのを目撃したのも……旅館の宴会場で仲居さんがシュポポポ! とすごい勢いでビールの栓を抜いていくあの場面くらいです。(当然仲居さんが使うのはマルチツールではなく単一機能の栓抜きなのは言うまでもありません)

はっきり言いましょう。「栓抜きがついていない」それだけでこの『DIME』11月号は買う価値があるといえます。

機能が一つ少ない事を、なぜこれほどまでに強調するのかと、疑問に思われるかたもいることでしょう。しかしこれが大事な事なんです。「一つの無駄な機能が省かれている」という事は、「その分スペースが空く」「その分重量が軽くなる」「その分他の機能を加える事ができる」などなど……様々な恩恵を受けることができるのです。

というわけで『DIME』11月号付録・栓抜き抜きマルチツール。
オススメです☆

自作ファイヤーバード(19)ヘッド整形

それなりに長い時間を生きているといろいろ思いもよらぬ事が起るものですが。それにしてもこの頃は許容範囲を超えている気がしてなりません。時々は……立ち止まって目を閉じるのもいいのかもしれませんね。もちろんできる限りで。

さて。ずいぶんと間が空いてしまいましたが、少しずつ作業は進めております。今回はヘッド周りの進捗をば。

ファイヤーバードのあの独特ヘッドの形を作るにあたっては、現状に少し木材を足さねばなりません。作業で発生したマホガニーの端材をちょこちょこと接着しましょう。

この時、先端にも材料を少しだけ足しました。

というのも、実はイラストレーターをちょこちょこいじっていて「ギターの設計図を書いてみっか!」と思いつき、改めてファイヤーバードを書き起こしてみたわけです。でもって以前に書きだした手書きの設計図と比べてみた所……これが結構違っていて。とくにヘッド先端の寸法が足りないという事態になったわけです。まあ実際どっちが正しいかなんてわかんないんですけどね。

マホガニーとウォルナットの端材を圧着するの図。興味本位で買った「三方閉めクランプ」が役に立ちました。

ピンボケですみません。必要な端材の接着が完了しました。一気に……というわけにもゆかず、これだけで何日かかかってます。

接着が完了したら、まずは大ざっぱに整形します。ジグソーやノコギリでザックリと不要な部分を落としていきます。

そして本番。テンプレートに合わせて削ってゆきます。テンプレートはイラストレーターのデータをコピー用紙に出力し、それをMDF版にトレースしたものです。表面に両面テープで貼り付け、トリマーでギュイイイイン! とやっちゃいます。

テンプレートを貼り付けて……、

ギュイイイイン! 形状的に集塵プレートがうまく使えず木屑が飛びまくりました。

トリマーが僅かに暴れ、先端の部分が若干グネグネしてしまいましたが、ヤスリで整えれば問題ないでしょう。たぶん。

この流れで、ついでにネックの両サイドのテーパーもやっちゃいました。同じくテンプレート&トリマー作戦です。しかし……この作業で思わぬ事態が!

なんと片側がバッキシとささくれてしまったのです。長めのトリマービットで一気にやろうとしたのがいけなかったのでしょうか。ともあれ、割れた箇所は、どのみち後で削る事になる部分だったのでセーフ!

ネックの付け根もやっちゃいましょう。ところがまたしても……バキ!

動揺して肝心の部分の写真を撮りわすれてますが、またしても材がささくれてしまいました。先程に比べるとごく僅かではありましたが……。実はこのトリマーで整形する方法、海外のギター製作動画の真似なのですが、もしかしてこのやり方よくないのか? うーむ……。

ともかく、ネックができてきました。なんとなくギターの形になってきたぞ!!!

ヤスリがけをしたヘッド裏。実はあの後、ボリュート付近にさらに端材を足しています。ほとんど寄せ木細工です。

自作ファイヤーバード(18)トラスロッド完了&ネック裏粗成形

前回封入しましたトラスロッド。24時間以上の放置で無事に蓋が接着されました!

ギター製作をやってみようと思い立った頃「トラスロッドはどうしよう……」「できるのだろうか……」「できるだけ簡単な方法でやろう……」などと消極的な展望を抱いておりました。しかし工作を進めてゆくと同時に、先人の方々の様々な作例などを拝見してゆくうちに「できるに違いない!」と根拠のない自信を得るようになったのでした。不思議なものです。

無事に蓋の接着が完了しました!

ともかく。ここを乗り越えると、なんか一安心ですな。

蓋の出っ張りをノコギリやヤスリで削り取り、指板面とツライチにします。とくに難しい事はなくあっという間にできました。

指板面を傷つけないようにギコギコ……。

おお。美しい……。

今回はついでにネックの裏側をザッと整形してゆくことにしましょう。

木材をラミネートして依頼、ほとんど手付かずだったネック裏。ジグソーで乱暴に切出したままのガビガビ状態をきれいに整えてやります。

ここは以前作ったジグソーテーブルで一気に……といきたいところなのですが、現状のものでは刃の長さが足りません。なので今回はジグソーテーブルをバージョンアップしてみましょう。

現状使用しているジグソーブレードより、ずっと長いブレードをモノタロウで購入。これならネック裏も十分に削れそうです。しかしこの長さでは刃が暴れすぎてまともにまっすぐ切ることができません。

そこで……! 上部にブレードのガイドを増設します。

テキトーな端材と、ベアリング、ボルトなどを使ってガイドを作ってゆきます。早く作業をしたいので見てくれなどはあまり気にしません。

完成! ジグソーテーブル改! 武骨がブレードガイドが頼もしいではありませんか。

でき上がったらすぐに作業開始! ズガガガガガ!

時々ガタガタ! と暴れ出すネック材を必死に押さえて慎重に進めまましょう!

いいですね! いい感じです!

もっと早く作ればよかったジグソーテーブル!

まあ、あれです。最初から「木材を切出してから接着」などせず「木材を接着してからまとめて切出す」でいけば、もっと作業が楽にできたは明白ですよね。

「なぜそうしなかったのか!」

「端材がほしかったからさ……」

さて。後はヤスリでひたすらジョリジョリと削って整えてゆきます。地道な作業です。1日1時間程度の作業で、2〜3日かかった気がします。まあでもバイスに固定している事もあって楽しく作業できました。

タイラになーれ。タイラになーれ。愛をこめて削ります。

丸いところは、サンドペーパーをラップの芯に巻いてジョリジョリ!

大きめのアールは、スプレー缶で!

今回はヘッド付け根に『ボリュート』と呼ばれる出っ張りをつけてみる事にしました。理由は「なんかかっこいい気がしたから」です。

ヨシ! だんだんソレっぽくなってきた!

自作ファイヤーバード(17)トラスロッド封入

あっという間に今年も半分終わってしまいました。早く「あのころは大変だったなぁ」と話せる時がきてほしいものですね。

さて。鋭意製作中のファイヤーバード、トラスロッドのフタを作りましょう。

前々回、トラスロッドの溝を掘る際、溝のカーブを端材にトレースしてケガキをしておきました。この線に沿って端材を切り出せばカーブにぴったり合うフタが出来るという寸法です。

トラスロッドの溝はネック材中央のウォールナット部分に掘ったので、フタも同じくウォールナット…とも考えたのですが、後々掘り起こす時が来た場合、分かりやすいようにマホガニーでいくことにしました。

さてこれをどうやって切り出すか? 地道にノコギリでギコギコするのもいいのですが、ここはひとつ新兵器を導入してみましょう。

その名も『ジグソーテーブル』!!

なんの事はないジグソーをひっくり返してテーブルに固定しただけのものです。簡単に出来そう&何だか便利そうなので、そのうち作ってみようと思ってたのです。

早速製作。手持ちの木材でバババッ!っと作ります。

角材や集成材でテーブル的なものを作りまして、

ジグソーのプレートにMDF板を固定。

テーブルの天板に適当に穴を開け、ジグソーを固定すると…

ジグソーテーブルの出来上がり! あら簡単!

試し切り! うむ、なかなかいい感じ!

プレートのシールが剥がれてなかったり、見てくれてがイマイチだったので……ちょっと作り直し。天板がツライチになるようにMDF板を追加。改めてジグソーテーブルの完成です!

後ろはこんな感じ。

早速、トラスロッドのフタを整形してみましょう。ドルルルル…! まずはカーブ面。仕上げは後で手作業でやるので、少し余裕を持って切り出します。

次は材料をトラスロッドの溝と同じく約5ミリの厚さに切り出します。材料を薄く切る、いわゆる「引き割り」というのが結構難しく、実はこれが今回ジグソーテーブルを作った最大の理由だったりします。こちらも余裕を持たせて慎重にいきましょう。

仕上げは手作業でいきます。カンナ&ヤスリでジョリジョリ。時々、溝に入れて具合を確かめながら調整してゆきます。

はいピッタリ…と言いたいところですが、ちょっと削りすぎて、緩いかな…という感じ。まあ大丈夫でしょう!たぶん!

さて……フタもできたので、いよいよいきましょう。

トラスロッドを封入の義!!!

まずはトラスロッドをロウ引きします。フタを閉じる時にロッドにボンドがついて動かなくなってしまうのを防ぐためです。

トラスロッドを溝に入れたら…「元気でいいギターになってね」という想いをこめてフタをタイトボンドで接着!

ありったけのクランプで固定して、24時間以上じっくり寝かせましょう。

頼む………無事にくっついてくれえええ…!!!

長くなりましたので続きは次回に。

自作ファイヤーバード(16)ロッド調整の穴

トラスロッドの溝が掘れましたので、続いてロッドを調整する穴の加工をします。ロッド調整の穴……ちゃんとした呼び名があるとは思うのですが、よくわかりません。まあいいか。

とその前に。ロッドのお尻の方が入る部分の加工を先にしときましょう。こちらも呼び方わかりません。

ロッドのお尻に合わせT字型の溝を掘ります。テンプレートを作りトリマーで加工。実は筆者が購入したロッド、このT部分がちょっと斜めに溶接されていたため、この角度に合わせるのが若干難しかったです。

お尻ができたので頭いきましょう。

さてこちらはどう作るか……。海外のギター製作動画などを見ると、これを作るのにすごく便利なドリルビットがあるみたいなんですが、検索しても見つけられなかったので、手作業でゆくことにしました。普段はフタをして見えなくなる場所なので気軽にいきましょう。

作業は単純。ノミでひたすら削ってゆきます。途中でロッドの収まり具合み試しつつ。

いい感じ、いい感じ。

途中、トラスロッドのナットを回すレンチがきちんと入るかどうかも確認しましょう。

まだちょっとキツイですね。

今回はファイヤーバードなのでトラスロッドのフタが結構大きいから安心ですが、レスポールなどはあまりこの穴が大きくなりすぎないように注意しないといけませんね。

さてだいたいできました。トラスロッドを入れてみましょう。うん。いい感じです。

次回はいよいよトラスロッドを仕込んで溝にフタをします!

 

自作ファイヤーバード(15)トラスロッド溝掘り

自作ファイャーバード、久々の進捗です。今回から数回に分けてネックにトラスロッドを仕込んでゆきます。

トラスロッド?

常に弦に引っ張られているギターのネックは何もしないと曲がってしまいます。いわゆる「ネックが反る」というやつでして、ギターの宿命とも言うべき永遠の問題。これを何とかするために、ネックにはトラスロッドと呼ばれる鉄の棒が入っているのです。

トラスロッドが一体どのようにネックの反りに効果があるかの説明はまたの機会としましょう。とにかくコイツを仕込まない限りギターは楽器として成立しないわけで、ギター作りの中でも非常に重要なイベントなのです。家を建てる時の地鎮祭といったところでしょうか。

トラスロッドといっても種類はいろいろあるようです。お値段もそれほどでもないので(ただの鉄の棒ですから)試しにいろいろ購入してみました。

トラスロッドは本来、鉄の棒を「湾曲」させて仕込む事でネックの反りを直します。湾曲させるわけですから、湾曲した溝を掘らなくてはなりません。湾曲した溝……? いきなり途方に暮れそうになりますが、最近は真っ直ぐな溝を掘るだけで大丈夫なトラスロッドが多いようで、筆者の買っている安物ジャンクギターにもだいたいこのタイプが入っています。要するに手間がかからないというわけですな。

さらには通常、弦に引っ張られてお辞儀をするようにネックが曲がる「準反り」に加え、ネックがそっくり返る「逆反り」にも対応した「両利き」と呼ばれるトラスロッドがありまして、仕込み方も簡単なので当初はこれにしようと計画しておりました。

ところがです。あれこれ調べてみると、オーソドックスな湾曲させるタイプも、それほど難しくなさそうだと判明。急遽、この古典的なトラスロッドを入れる事にしたのであります。初めてのトラスロッド作業なのだから簡単な方法でやればいいじゃないかと思われるかもしれませんが、なんだか意外に単純で面白そうなんですよ、湾曲させる方法が。

まずは指板の乗る面を平らにします。ここで前回作った木工バイスが活躍します。材料が固定されているとやすりがけも楽しいものです。

そこそこ平面が出たら、トリマー加工用のジグをセットします。ジグはMDF板にトリマーのガイドの幅に合わせてスリットを開けただけの簡単なもの。これをネックの厚みに合わせて湾曲さててビスで固定します。なるほど、これで自然なカーブを作れるわけですな。

準備ができて、何度かリハーサルをしたら、いざ本番! 一気には行かず、ビットの長さを調節し、少しずつ溝を深めてゆきます。

見事に出来上がりました!

しかし……、

むむむ!!??

曲がってる……

お分かりいただけただろうか。

ネック上方、ヘッド側が僅かに……いや、そこそこ左にずれてしまいました。

埋めて彫り直そうかとも考えました。しかし、ズレたとはいえ致命的なレベルではないと信じてこのままゆくことにしました。指板を貼れば見えなくなるし。問題があるとすればトラスロッドの効き具合です。将来、ネックが反ってしまい、ロッドの調節でもカバーできなくなった時は指板を剥がしてトラスロッドの仕込みをやり直せばいいのです。

というわけで、無事に(?)溝掘りが終了したトラスロッド編、続きます。

 

木工バイスを作る

何かを切ったり削ったりする時に材料を固定する道具をバイスといいます。クランプなどもそうですが、あるととても便利なので筆者も何種類か所有しています。ボール盤のテーブルに材料を固定するボール盤バイス。細いドリルに取っ手をつけてグリグリ回すピンバイスとかもバイスの一種。

ところが、です。「ここで、こういう形のバイスがあるといいのになぁ〜」という場面がけっこうあるんです。何でも買える便利な世の中ではありますが、毎度毎度、都合のいい形のバイスはお店には売っていません。

ないなら作る、がモットー。今回ほしいのは木材を固定する「木工バイス」。もちろん作ったことはありませんが、木工バイスは構造もそんなに難しいものではありませんし、ネットを検索すると作例がたくさんでてきますので迷わずゴー!!!

使うのはテキトーな木材。寸切りボルト(今回は12ミリ径の30センチくらいのもの)。ナット。ワッシャー。ボルト用ハンドル。

寸切りボルト。本当は片方に六角形の頭がついた普通のボルトがいいのですが、この長さになるとそういうのはないみたいです。

木材は何でもいいと思いますが頑丈で重いやつがいいような気がします。今回使ったのは、何かを作った時に余った角材。種類は何でしょうね? 松かな? タイトボンドで接着したものを二組作ります。

24時間放置してボンドが固まったら、次は穴を空けましょう。今回は12ミリの穴をズドンと2ヶ所ずつ。

片方にはボルトが収まるようにやや大きめ径の穴を空けます。内径12ミリのボルトが固定できるようにノミを使って六角形に加工します。恥ずかしながら筆者、この歳になるまでノミという道具を使った事がありませんでした。初ノミ体験。いやいや楽しいですねノミ。これはクセになりそう。

あるていど六角形ができたら、ハンマーで打ち込んでやります。

ボルトが収まったらさらに径の大きなワッシャーで蓋をします。問題はこのワッシャーの固定方法なのですが、いろいろネットで作例を検索し、今回は端をビスで止めるという手段を選びました。しかし、これが意外に難しく、片方は何発か失敗。少々残念な見た目に……。まあでも早く完成させて使いたいので、やり直しせず作業続行であります。

ここまで来たら後は簡単。二組の角材にテキトーな長さのボルトを通して、片方の端にハンドルをつけて完成です。

こちら「ノブスター」という商品。六角ボルトの頭に簡単に装着できるハンドルです。今回は寸切りボルトなので、ナットを二つ締めて固定します。

完成の図。ボンドがはみ出た跡なんかもそのまま。いいんです、見てくれなんて跡で暇な時にどうにかすれば。

使ってみた感想としては、このズシリとした重さが頼もしく、小さな材からそこそこ大きなものまでガッチリくわえてくれるので作業が格段にスピードアップしました。ただハンドルを回転させるとき左右のバランスを気をつけないと、動かし辛くなってしまう事があります。穴をやや大きめにするなどして遊びをもたせてやるといいのかもしれません。

ジグなどもそうですが、何かを作るための道具を作る。こういう工作もおもしろいものです。さて、この木工バイス、一体何を挟むのかというと……それはまた次回に!