自作ファイヤーバード(18)トラスロッド完了&ネック裏粗成形

前回封入しましたトラスロッド。24時間以上の放置で無事に蓋が接着されました!

ギター製作をやってみようと思い立った頃「トラスロッドはどうしよう……」「できるのだろうか……」「できるだけ簡単な方法でやろう……」などと消極的な展望を抱いておりました。しかし工作を進めてゆくと同時に、先人の方々の様々な作例などを拝見してゆくうちに「できるに違いない!」と根拠のない自信を得るようになったのでした。不思議なものです。

無事に蓋の接着が完了しました!

ともかく。ここを乗り越えると、なんか一安心ですな。

蓋の出っ張りをノコギリやヤスリで削り取り、指板面とツライチにします。とくに難しい事はなくあっという間にできました。

指板面を傷つけないようにギコギコ……。
おお。美しい……。

今回はついでにネックの裏側をザッと整形してゆくことにしましょう。

木材をラミネートして依頼、ほとんど手付かずだったネック裏。ジグソーで乱暴に切出したままのガビガビ状態をきれいに整えてやります。

ここは以前作ったジグソーテーブルで一気に……といきたいところなのですが、現状のものでは刃の長さが足りません。なので今回はジグソーテーブルをバージョンアップしてみましょう。

現状使用しているジグソーブレードより、ずっと長いブレードをモノタロウで購入。これならネック裏も十分に削れそうです。しかしこの長さでは刃が暴れすぎてまともにまっすぐ切ることができません。

そこで……! 上部にブレードのガイドを増設します。

テキトーな端材と、ベアリング、ボルトなどを使ってガイドを作ってゆきます。早く作業をしたいので見てくれなどはあまり気にしません。

完成! ジグソーテーブル改! 武骨がブレードガイドが頼もしいではありませんか。

でき上がったらすぐに作業開始! ズガガガガガ!

時々ガタガタ! と暴れ出すネック材を必死に押さえて慎重に進めまましょう!

いいですね! いい感じです!

もっと早く作ればよかったジグソーテーブル!

まあ、あれです。最初から「木材を切出してから接着」などせず「木材を接着してからまとめて切出す」でいけば、もっと作業が楽にできたは明白ですよね。

「なぜそうしなかったのか!」

「端材がほしかったからさ……」

さて。後はヤスリでひたすらジョリジョリと削って整えてゆきます。地道な作業です。1日1時間程度の作業で、2〜3日かかった気がします。まあでもバイスに固定している事もあって楽しく作業できました。

タイラになーれ。タイラになーれ。愛をこめて削ります。
丸いところは、サンドペーパーをラップの芯に巻いてジョリジョリ!
大きめのアールは、スプレー缶で!
今回はヘッド付け根に『ボリュート』と呼ばれる出っ張りをつけてみる事にしました。理由は「なんかかっこいい気がしたから」です。

ヨシ! だんだんソレっぽくなってきた!

自作ファイヤーバード(17)トラスロッド封入

あっという間に今年も半分終わってしまいました。早く「あのころは大変だったなぁ」と話せる時がきてほしいものですね。

さて。鋭意製作中のファイヤーバード、トラスロッドのフタを作りましょう。

前々回、トラスロッドの溝を掘る際、溝のカーブを端材にトレースしてケガキをしておきました。この線に沿って端材を切り出せばカーブにぴったり合うフタが出来るという寸法です。

トラスロッドの溝はネック材中央のウォールナット部分に掘ったので、フタも同じくウォールナット…とも考えたのですが、後々掘り起こす時が来た場合、分かりやすいようにマホガニーでいくことにしました。

さてこれをどうやって切り出すか? 地道にノコギリでギコギコするのもいいのですが、ここはひとつ新兵器を導入してみましょう。

その名も『ジグソーテーブル』!!

なんの事はないジグソーをひっくり返してテーブルに固定しただけのものです。簡単に出来そう&何だか便利そうなので、そのうち作ってみようと思ってたのです。

早速製作。手持ちの木材でバババッ!っと作ります。

角材や集成材でテーブル的なものを作りまして、
ジグソーのプレートにMDF板を固定。
テーブルの天板に適当に穴を開け、ジグソーを固定すると…
ジグソーテーブルの出来上がり! あら簡単!
試し切り! うむ、なかなかいい感じ!

プレートのシールが剥がれてなかったり、見てくれてがイマイチだったので……ちょっと作り直し。天板がツライチになるようにMDF板を追加。改めてジグソーテーブルの完成です!

後ろはこんな感じ。

早速、トラスロッドのフタを整形してみましょう。ドルルルル…! まずはカーブ面。仕上げは後で手作業でやるので、少し余裕を持って切り出します。

次は材料をトラスロッドの溝と同じく約5ミリの厚さに切り出します。材料を薄く切る、いわゆる「引き割り」というのが結構難しく、実はこれが今回ジグソーテーブルを作った最大の理由だったりします。こちらも余裕を持たせて慎重にいきましょう。

仕上げは手作業でいきます。カンナ&ヤスリでジョリジョリ。時々、溝に入れて具合を確かめながら調整してゆきます。

はいピッタリ…と言いたいところですが、ちょっと削りすぎて、緩いかな…という感じ。まあ大丈夫でしょう!たぶん!

さて……フタもできたので、いよいよいきましょう。

トラスロッドを封入の義!!!

まずはトラスロッドをロウ引きします。フタを閉じる時にロッドにボンドがついて動かなくなってしまうのを防ぐためです。

トラスロッドを溝に入れたら…「元気でいいギターになってね」という想いをこめてフタをタイトボンドで接着!

ありったけのクランプで固定して、24時間以上じっくり寝かせましょう。

頼む………無事にくっついてくれえええ…!!!

長くなりましたので続きは次回に。