エピフォンSG修理その4

暖かくなったかと思ったらまた冬のような寒さがやってきたり、春先というのは油断ができませんね。風邪なのか花粉なのか鼻水&頭痛と共存しながら今日も元気に工作ライフを楽しみましょう。

前回は補強材の埋め木を接着しました。まるまる1〜2日置いて幸いにもガッチリと固まりました。当たり前ですが、ヘッド裏から補強材が飛び出しています。もしかしるとこの状態のままにしておくのが強度的には一番ベストかも……などと頭をよぎりますが、弾きにくいですからちゃんと整形しましょう。

まずはカッターでジョリジョリとおおまかに削ってゆきます。今回使ったのは割とどこにでもある太めのオルファのカッターです。鉛筆削りの要領ですね。余談ですが、この手のカッターというのはどちらかというと段ボール工作とか、紙っぽい物を相手にしる時に使うイメージでした。しかし意外に木工でも十分使える事に気付きました。いや、むしろ結構使いやすいです。

おおまかに削り終えたら、ヤスリで整形してゆきましょう。うなじのような微妙なカーブを、なるべく健康な部分を傷つけないように少しずつ整形してゆきましょう。飛び出していた補強材とギターのつなぎ目がだんだんと滑らかになってゆくのは気持ちのいいものですね。

だいぶ滑らかになりました。手に持った時の感触もいい感じです。さらにヤスリをかけて表面を仕上げ、そして塗装……といきたいとこりですが、もう我慢での限界です。弾いて音を出してみたい! ううう……一度、弦を張っちゃいましょう!

はい。張ってみました。このSGは、手元に届いた段階で、幸いにもパーツも全てが揃っていたので、弦さえ張ってしまえばそのまま音が出せます。チューニングをしてみたところ、オクターブ調整もほぼできておりました。前の持ち主様が壊れる寸前まで現役のギターとして使っていらしたのでしょうね。そんな想いを巡らせながらアンプを通してみました。

いいですね。とても弾きやすい。実はSGを触ったのも弾いたのも今回が初めてです。薄くて軽くてとてもしっくり来ます。このボディの薄さ(軽さ)のせいで両手を放すとヘッドに傾いてしまうという、いわゆる『ヘッド落ち』の現象も初めて体験しました。これについては慣れが必要ですね。気をつけてゆこうと思います。

実はこの直後、スタジオ練習の予定があったので、直ったばかりのこのSGを持ってゆきました。電車の中など、直したヘッドがまた「ポキリ」といってしまわないか心配でしたが、とりあえず大丈夫なようです。塗装などもまだですし、完成ではありませんが、音が鳴らせるようになったという事でとりあえず一段落! 次のライブではこれを使ってみようかな? とも考え中です。

エピフォンSG修理その3

ようやく暖かくなってきましたね。夏になって暑くなるまでは外で工作するのも気持ちいいものですが、それはまだちょっと先ですかね。さて本格的な春を待ちつつSGの修理を続けましょう。

前回開けた補強材用の溝に、補強材を作って埋めてゆきます。補強材はメイプルを使います。SGのネックはマホガニーなので、同じ木材を使った方が手術痕が目立たないはずです。しかし先人の方々の作例を見ると、見栄えより強度を優先してマホガニーより固いメイプルを使うのがいいみたいです。

ネック製作用のメイプル材です。ちょこっと切り出します。

切り出したメイプル材を溝のサイズに合わせて整形してゆきます。現物合わせでちょっとずつ削ってゆき埋め木を作ってゆきます。

いつもそうなのですが、1個目を作る時は、もの凄く時間がかかりますが、2個目となると驚くほど簡単に出来てしまいます。やった事あるのと、ないのでは大違い。やはり身を以て経験するのが大事という事なのでしょうか。

のこヤスリで大まかに削り、紙ヤスリで修正を繰り返します。それにしても、のこヤスリでの作業は楽しいですね。

グイグイと溝に押し込んで奥までピッタリ埋まるようになったら埋め木の完成です。これらをタイトボンドで接着し、クランプで固定します。

このまま、また一日放置します。ヘッドの接着の時ほど緊張せず、気楽に作業ができました。全ての作業がこうだといいですね。さて無事にくっついてくれる事を祈りつつ次回に続きます。

 

エピフォンSG修理その2

雨が続いたり寒かったりすると、なかなかやる気が出ません。しかし暖かい季節にしかできない工作というものもありますから、先々のためにも今のうちに出来る事を頑張ろうではありませんか。というわけでヘッドの折れたエピフォンSGの修理を粛々と続けるのであります。

前回タイトボンドで圧着し、丸一日置きました。ドキドキしながらクランプを外し接着箇所を見てみます。流石タイトボンド、見事にガッチリと固定してくれたようです。しかし……

ほんのわずかな隙間が……! どうやら縦方向の位置決めが甘かったようです。クランプの固定に気を取られすぎました。反省。

はたしてこの僅かなズレが強度的にどのくらいの影響を及ぼすことになるかはわかりません。と言っても落胆する必要はありません。またいつか再びヘッドが壊れるような事があれば、また直せばいいのです。おそらくその頃には今よりもっともっと工作の腕も上がっている事でしょう!

と自分に言い聞かせながら工作を続けます。次は今回の接着箇所にさらなる補強工事を施してゆきましょう。二本のスリット溝を掘ってそこに補強材を埋め込みます。

ここで本ブログ初登場! 我が家の最狂メカ・トリマーが出撃です!

トリマー。パワフルで頼もしいヤツではありますが、そのパワーゆえ非常に制御が難しく危険な工具と言えます。正直あまり使いたくありません。しかしコイツでしか出来ない仕事というものがあるわけです。

まずはトリマーのためにガイドを作ります。透明アクリル板にスリットを開けます。このスリットがトリマーの通路となるわけですね。

トリマーにはガイドを使うためのパーツ(刃の根元部分につけるワッカの様なもの)が取り付けられますので、そのサイズに合わせてアクリルにスリットを掘ります。今回は10㎜のアクリル専用ドリルで穴を空けます。そして少しずつ位置を変え同じように穴を空けてゆき、残った出っ張りを削ってやると、幅10㎜のスリットが出来上がりました。

出来上がったアクリルのガイドをヘッド付近に固定して、補強材を埋める溝を掘ります。トリマーはパワーも凄いですが音も凄いです。山奥の1人暮らしでもない限り夜中に使うのはやめておきましょう。

どうにか大きな失敗もなく、二本の溝掘りが終わりました。次回はここに補強材を埋め込んでゆきます。