自作ファイヤーバード(41)クリア塗装&研磨

自作ファイヤーバード。
工程も佳境に入りました。
いよいよクリア塗装に入ります。

使うのは『ラッカースプレー』
こちらもサンディングシーラー同様、『塗る』『乾燥』『研磨』を繰り返してゆきます。1発でうまくいけばそれほど塗り重ねる必要はない(と思う)のですが、筆者は下手くそなのでなかなかうまく吹きつけできません。湿気のせいでブツブツになったり、厚く塗りすぎて垂れてきたり、ホコリがくっついたり、毛がくっついたり……失敗要因が無限に襲いかかります。

当ブログ最初の工作記事(レスポールキット)の時からずっと使っているクリアラッカー。

前回も含め、この下地&塗装という工程。記録を見ると……実に5ヶ月くらいかかっておりました。うへぇ〜! 本業やその他が忙しかったというのもありますが、この工程では『じっくり乾燥』させる事が重要ですので、放置できる時間が長くとれたという意味では忙しい時期で正解だったかも?

ある程度までクリアを重ね「もうこの辺でいいダロ……」という気になったので、研磨に進みます。(この時の妥協が、また後になって響いて来たりします)

研磨は耐水ペーパーに石鹸水をつけて番手を上げてゆきます。
600→800→1000→1500といった具合。

そしてコンパウンド。さらにバフがけ

こちらもレスポールキット製作時から使用していますコンパウンド3兄弟。自動車ボディー用です。

良い感じになってきたのではないでしょうか!?

Amazonで試着&購入(&セルフ裾上げ)

またまた久々の投稿ですね。今回は工作ネタではなく、ジーパンの話。です。

最近知ったのですが、何やらAmazonで『Try Before You Buy』なるサービスが開始されています。文字通り「買う前に試すことができる」というprime会員が利用できるサービスです。

返品とどう違うかというと、商品が到着してから7日間は、決済が行われないという点です。その期間に品物を試して、もしも気に入れば購入、そうでなければ返送するという具合。要するにお金が動かないという事。なので気持ち的にはまさに試着する感覚に近いのかもしれません。詳しくはAmazonの解説ページをご参照ください。

Leeのベルボトムです。ブーツを履いて少しでも足を長く見せようって魂胆です。はい。

というわけでものは試し。ジーパンを試着註文してみました。Leeのベルボトム。202です。到着も早かったですし、商品も当たり前ですが新品です。さらに返品用の伝票まで同封されてきました。いたれりつくせり。すごいですねTry Before You Buy

Amazonに限らず洋服の買い物は難しいですよね。筆者も何度と失敗を繰り返してきました。返品できればまだいいのですが、開封直後迂闊にタグを切ってしまい返品できなくなってしまったり。

今回は幸いにもサイズもピッタリ。さらにお値段もなかなかお手頃だったので、7日も待つ事なく購入手続きを完了。いい買い物ができると嬉しいものです。この試着サービス、どんどん利用していこうと思います。

さてさて。ジーパンやズボンをネットで買う場合、自分で裾上げをしなければならないというデメリットがあります。お値段次第では町のお直し屋さんに依頼するという手もあるでしょうが、当ブログは工作ブログ。自分でやってみましょう!

裾上げ。もちろん初めてです。ミシンは、ちょっとだけ使った事がある程度。正直裁縫関係はどうも苦手なのですが…何でも挑戦です。怖がらずいきましょう。

木工などと違って、お裁縫の世界ってこういう目印がつけにくいですよねー。ピシっといきたいんですけどね。なかなかできないんですよね。

まず長さを決めたら、印をつけます。どうせ見えなくなる場所なので、マッキーでズビビ!と線を引きました。

そしてそこから三つ折りにして縫い付ける分(今回は3センチ)を残してジョキジョキ切ります。

生地がもったいないだと? フ…短足の不幸を呪うがいい。

でもってアイロンで折り目をつけます。アイロンも苦手です。電気工具なみに危ないですアイロン。熱い熱い。

そしてミシン登場。使い方DVDを何度も見て頭に叩き込みます。『デニム用の針』とか、『太い下糸』とかを使用すべしとネットには書いてありますが、「ゆっくりやりゃあ大丈夫だろう」とたかを括りノーマル装備で突撃。

あまり使われていない我が家のメカ。

結果は何というか…「たはは」な感じに。糸とか針とかが原因? 多分それ以前のスキルな気がします、はい。まあ初めての裾上げだし。足元なんて誰も見ねーし。解けたら直せばいーし。今回はこれでオッケー!

うおお、曲がってるぅ〜
ぐええ!何じゃこりゃああああ!
うーん。ま、いっか!

自作ファイヤーバード(20)指板接着

毎度毎度「はたしてどの順番でやってゆけばよいのか?」と頭を捻ってきたわけです。まあでも、このあたりまで来ると、どこからやっても大きくは失敗しないですみそうな気がしてきました。

そろそろ指板を貼りたくなってきました。

実はネックの指板面、いまいち完全な平面が出ていないのですが……、しかしこれ以上削ると、いつトラスロッドがビヨヨヨ〜ン! と飛び出してきちゃうかわからないので。

貼っちゃいましょう!

まずは位置を決めたら、細いクギを打ってガイドにします。これによって接着する時に焦りながら微妙な位置の修正をしなくてすむというわけです。クギはフレット溝に打ち込み、後で抜きます。

今回、指板接着用に用意したのは、いつものタイトボンドではなく『ハイドグルー』なる茶色い新顔。

通常のタイトボンドはいわゆる硬質な木工用ボンドですが、こちらはニカワが主成分。タイトボンドに比べて後で熱などを加えて剥がしやすい(らしい)のです。

貼り付けて一生剥がさないのであれば問題ないのですが、もしもいつか「ああ……フレットの位置がおかしい……」「ネックが反ってしまってどうにもならない……」など様々な悲劇が発生した時、いつでも指板を剥がせるようにコイツを使うことにしました。

これでもかというくらいにハイドグルーを塗って、これでもかというくらいにクランプで固定。あとは丸1日以上放ったからかして乾くのを待つだけです。うまくくっつく事を祈りましょう〜☆

しかし……。しかししかし……。

この後、思いもよらぬ悲劇が待っていました。

微妙に曲ってくっついてしまったのです!!!!!

ぎゃーーーーーーーーーーー!!!!

(つづく)

木工バイスを作る

何かを切ったり削ったりする時に材料を固定する道具をバイスといいます。クランプなどもそうですが、あるととても便利なので筆者も何種類か所有しています。ボール盤のテーブルに材料を固定するボール盤バイス。細いドリルに取っ手をつけてグリグリ回すピンバイスとかもバイスの一種。

ところが、です。「ここで、こういう形のバイスがあるといいのになぁ〜」という場面がけっこうあるんです。何でも買える便利な世の中ではありますが、毎度毎度、都合のいい形のバイスはお店には売っていません。

ないなら作る、がモットー。今回ほしいのは木材を固定する「木工バイス」。もちろん作ったことはありませんが、木工バイスは構造もそんなに難しいものではありませんし、ネットを検索すると作例がたくさんでてきますので迷わずゴー!!!

使うのはテキトーな木材。寸切りボルト(今回は12ミリ径の30センチくらいのもの)。ナット。ワッシャー。ボルト用ハンドル。

寸切りボルト。本当は片方に六角形の頭がついた普通のボルトがいいのですが、この長さになるとそういうのはないみたいです。

木材は何でもいいと思いますが頑丈で重いやつがいいような気がします。今回使ったのは、何かを作った時に余った角材。種類は何でしょうね? 松かな? タイトボンドで接着したものを二組作ります。

24時間放置してボンドが固まったら、次は穴を空けましょう。今回は12ミリの穴をズドンと2ヶ所ずつ。

片方にはボルトが収まるようにやや大きめ径の穴を空けます。内径12ミリのボルトが固定できるようにノミを使って六角形に加工します。恥ずかしながら筆者、この歳になるまでノミという道具を使った事がありませんでした。初ノミ体験。いやいや楽しいですねノミ。これはクセになりそう。

あるていど六角形ができたら、ハンマーで打ち込んでやります。

ボルトが収まったらさらに径の大きなワッシャーで蓋をします。問題はこのワッシャーの固定方法なのですが、いろいろネットで作例を検索し、今回は端をビスで止めるという手段を選びました。しかし、これが意外に難しく、片方は何発か失敗。少々残念な見た目に……。まあでも早く完成させて使いたいので、やり直しせず作業続行であります。

ここまで来たら後は簡単。二組の角材にテキトーな長さのボルトを通して、片方の端にハンドルをつけて完成です。

こちら「ノブスター」という商品。六角ボルトの頭に簡単に装着できるハンドルです。今回は寸切りボルトなので、ナットを二つ締めて固定します。
完成の図。ボンドがはみ出た跡なんかもそのまま。いいんです、見てくれなんて跡で暇な時にどうにかすれば。

使ってみた感想としては、このズシリとした重さが頼もしく、小さな材からそこそこ大きなものまでガッチリくわえてくれるので作業が格段にスピードアップしました。ただハンドルを回転させるとき左右のバランスを気をつけないと、動かし辛くなってしまう事があります。穴をやや大きめにするなどして遊びをもたせてやるといいのかもしれません。

ジグなどもそうですが、何かを作るための道具を作る。こういう工作もおもしろいものです。さて、この木工バイス、一体何を挟むのかというと……それはまた次回に!

またまたヘッドホンの修理

前回のSONYに続いて今回は、BOSEのQuietComfort 2という古いヘッドホンのイヤーパッドを交換します。今ではすっかりメジャーなノイズキャンセリング製品ですが、このQC2が発売された頃はまだ珍しく、店頭で体験し「スゲー!」となったものです。

ケースがやたらデカかったり、諸々の理由から最近はあまり出番もなかったこのヘッドホン、久しぶりに取り出してみるとやはり、イヤーパッドはベタベタのボロボロ。しかし当然のごとく、SONYのようなパーツ販売はないようです。

BOSEの有料修理しかないのだろうかと思いながら検索していると……何と、別メーカーから交換パーツが販売されているのを発見! お値段も良心的です。

早速注文。いくつかのメーカーから出されている中から今回選んだのは、GEEKRIAというブランド。BOSEに限らず様々なヘッドホンの交換イヤーパッドなどを作っているようです。

交換はそれほど難しい事はなく、古いイヤーパッドをパコっと外し、中のベロンとしたスポンジ(?)を交換、そして新しいイヤーパッドをパチパチと嵌めるだけ。新しいイヤーパッドを嵌める時に若干手間取りましたが(メーカーホームページの説明ビデオでは、いとも簡単にやってます…)すぐコツが掴めました。

さて、今回買った交換パーツセットには、ヘッドバンドの「カバー」もついています。実はヘッドバンドもまた劣化してベタベタのボロボロになっていたのですが、どうやらこちらには交換パーツというものがないようで、カバーをして対処するしかないようなのです。見た目的に正直微妙なのですが、ベタベタのまま使うわけにもいかないのでしかたありません。

ヘッドバンドのベタベタボロボロ具合。よく見ると机にも黒いものがベタベタと……。さすがにこのままでは頭に乗せられません。
見た目はともかく、ヘッドバンドのベタベタ問題もひとまず解決です。どこかでヘッドバンドの交換パーツはないものですかね? 構造的に交換は難しいのかな?

というわけで無事に復活したQuietComfort2。久しぶりに外へ連れ出してみましょうかね。

ヘッドホンの修理

SONYMDR-CD900STというヘッドホン。昔から音楽製作などのモニター用として定番とされて来ましたが、今はどうなんですかね? 我が家でも長らくお世話になってます。

このヘッドホン、音やデザインもいいのですが、個人的に何より気に入っているのが「修理用の部品が手軽に買える」ということ。およそ30年前に発売されて以来、「純正品の全パーツ」が供給され続けているのです。その気になれば、まるまるもう一個新品の同じヘッドホンを作る事もできるわけですね(もちろん完成品を買った方が安いですけど)。筆者のように出来る限り自分で直したい派にとっては非常にありがたい製品なのです。

ずっと問題なく使って来たこのヘッドホンですが、少し前に片側ドライバーユニットが故障。早速サウンドハウスさんでユニットを取り寄せて問題なく復活できました。

見えているリード線は本来、黒一本(2芯)なのですが、前回の修理の際、手元になかったためご覧のような赤黒に。これはこれで、改造したぞ感があっていいかなと。

さらに今回、ボロボロのイヤーパッドや内部のウレタンパーツなども交換することにしました。ついでにヘッドバンドの金属部分も新調します。

左が新品、右が古いイヤーパット。古い方は表面がボロボロなうえに、内側が一周、すっかり破けてスポンジが見えてしまっております。
上の黒いやつがウレタンリング(左が新、右が旧です)。ドライバーユニットとイヤーパッドの間につく部品です。新品はこの状態で貼ってから真ん中だけ剥がして取り付けます。細い輪っかなのでズレないようにする配慮ですね。(でもズレました…)下はメラミンスポンジ。オーディオ用スピーカーの後ろにはいってるフワフワのアレみたいなものですかね。ドライバーユニットの後ろ、ハウジング内に収納します。

修理派に優しい900STですが、一箇所、分解&組み立てが非常に難しい部品があります。ヘッドバンドのスライド部分付け根のプラパーツです。小さなスプリングと金属球が入っていて、これによりカチカチ……というスムーズで快適な伸長&収縮ができるわけです。ところがこの金属球が曲者でして、すぐにビョ〜ン! とどこかへ飛んでいってしまうのです。今回もかなり苦戦しました。

ヘッドバンドのスライドパーツ分解の図。この金属球とスプリングをなくさないように組み立てるのが本当に苦行。あまりやりたくない工程です。

今回ついでに交換したヘッドバンドのスライドパーツですが、実はこれ900STのものではなく、MDR−7506という兄弟モデルのもの。形状はほぼ同じなのですが、お出かけや収納に便利な折り畳み機能がついているのです。

コンパクトな収納形態。ほぼまっすぐになっていたヘッドバンドの湾曲具合も復活しホールド感も戻りました。ところが……、

さて全てのパーツ無事に交換完了です。早速、音を聴いてみましょう。

あれ? 右側から音が出ない……

まさか断線……? 恐る恐る開けてみると、ハウジング内部の配線の剥き出しの部分が触れ合っていたことが判明。組み立て直したら無事音が出ました。実は以前、ケーブルを脱着できるようにミニフォーンジャックを取り付けたのですが、その時の雑な作業が原因だったようです。

大事にしていた製品もいつか壊れてしまうもの。メーカーができるだけ交換部品を作り続けてくれるといいなあ、と心から思うのです。

折りドラ

最近とあるきっかけがありまして、折り紙に興味を持ちました。

早速いくつか本など買ってみたわけですが、驚いたのは「この世界のドラゴン率の高さ」です。もうそこらじゅうにドラゴンがうじゃうじゃいます。折り紙好きな人はドラゴンが好きが多いのでしょうか?

そんなわけで、筆者もせっせとドラゴンばかり作っております。

とはいえ、どのドラゴンレシピもなかなか難解で、しかしかえってそこが面白く。解説を見ながら「何だよどーなってんだよ! わかんねーよ!」とブツブツ言いながらやる感じが、たまらなく楽しいのです。

折り鶴ならぬ、折りドラ。

いつかは自分で考えたレシピの「オリジナル・折り紙・ドラゴン」いわゆる「オリドラ」を……などと夢想してしまいますが、それは身の程知らずというものですね。はい。

フライングV調整その3

さて、フライングVの調整を続けてゆきましょう。機能的な問題はほぼ解決できたので、次は外見ですね。

外見的に気になったのが、フロントピックアップのエスカッションです。まるで狭いスペースに無理に嵌め込んだかのようにグニャリと潰れているのです。しかしビスを外して見ると改造などの痕跡は見られません。はたして出荷状態からこうだったのでしょうか?

というわけで考えた結果、ちょうど試してみたいピックアップがあった事もあり、今回はピックアップをエスカッションごと交換する事にしました。

今回新たにつけるのはケンアームストロングというメーカーのハムバッカーサイズのP90です。P90というとソープバータイプが一般的ですが、ハムバッカー型をこれに付け替えるにはボディのザグリに加工が必要となります。ところがコイツはハムバッカーサイズなので加工なしで、チョイチョイと載せる事ができるというわけです。

ところが……、

思わぬトラブルがここで発生! 何とリアピックアップのエスカッションを固定していたビスの一つが錆びのためネジ山が潰れていたのです! ぎゃああ……。世の中で舐めてしまったビスほど嫌いなものはありません。瞬間接着剤などを使う方法も試しましたがうまくゆきません。はあああ、どうしよう……。

今回はピックアップ交換は諦めようか……という考えも頭をよぎりました。しかし、やりかけの工作を途中で引き返すのも気持ち悪いものです。悩んだ末に強行手段にうって出ます。エスカッションを犠牲にするという方法です。

エスカッションをニッパで分解し、舐めてしまったビスの部分だけ残してグルグル回転させます。結果、無事にビスを外す事ができました!

こうしてピックアップ交換は無事完了! エスカッションのサイズもピッタリと治りました。

当初、錆びたビスもなかなかカッコいいなどと思っていたのですが、このけんこの後、ピックガードなどのビスを一通り交換しました。

今回はその他に、ペグをロック式のものに交換しました。使ったのは以前レスポールキットで使っていたものです。(実はあのレスポールは今、大手術中なのです……まあ、そのお話はまたの機会に)

というわけでライブには無事に間に合いました。しかし本番当日はペダルチューナーの電池が切れるなどのハプニングもあったせいか、チューニングが安定せず、いささかトホホな結果に。何が原因かは現在検証中であります。

しかしやっぱりVはかっこいいです。時間を見てもう少し調整を続けてみようと思います。

フライングV調整その2

さて、引き続きライブに向けてのフライングVの調整です。前回はネックに仕込み角を設けて弦高を直しました。これでとりあえず大きな問題は解決できました。後は時間の許す限り気になるポイントを直してゆきましょう。

次に気になったのがブリッジのアンカーです。本来ブリッジのアンカーとはボディに直接打ち込まれているもの。しかしこのフォトジェニック・フライングVはどうしたことか、片方だけピックガードの上から打ち込まれているのです。

一体なぜ……!?

この方が生産コストが抑えられるのでしょうか? 理由はわかりませんが、このままではボリュームなど電気系をいじるために毎回アンカーを引っこ抜かなくてはなりません。さすがに毎回そんな面倒くさい事はやってられません。それにアンカーがピックガードの上にあるので、その分ブリッジ(の片側)が若干高くなり、弦高を目一杯下げる事ができないのです。

作業としては簡単です。一度ピックガードとアンカーを外して、ピックガードに空いているアンカーの穴の直径を広げてやればいいのです。そうする事でアンカーがボディに刺さったまま、ピックガードを外せるようになるという寸法です。

リーマーを使ってコジコジと穴の径を広げてゆきます。キレイに仕上げたいところですが、今回はスタジオ練習やライブも迫っているので、本当の仕上げはまた今度ということで。

ピンがきてなくてすみません。リーマーを写したつもりでした。リーマーは経の小さい穴を同心円状に拡大できる、とても便利なツールです。

というわけで無事にアンカーがボディぴったりに打ち込むことができました。これで弦高調整の幅も広がり、電気系の改造も格段に楽なりました。

さて次は外見の気になる所に手を加えてゆきましょう。

フライングV調整その1

春は何かと忙しいものですが、今年は新年度の行事にバンドのライブが重なり、ついでに風邪を拗らせてしまうという有様。それでも家人に支えられ、仲間や友人に助けられ、仕事先に迷惑をかけながら、どうにか乗り切ることができました。こんな場所ではありますが、皆様ありがとうございました&ごめんなさい。ぺこり。

そんなこんなですっかり更新が滞っておりましたこのブログですが、ネタは色々溜まっております。どこからまとめたらいいものやら考えましたが、とりあえず一番記憶に新しいネタからいきましょう。

というわけで今回はフライングVの「調整」です。修理ではなく、再生でもなく「調整」です。

と申しますのも、先頃に某フリマでフライングVタイプのジャンクを衝動的に購入して、届いた物を組み立てて弦を張ってアンプに繋いでみたところ割と普通にキレイな音が出たのです。要するに厳密にはジャンクではなかったというわけです。(ちなみにメーカーはお馴染み(?)フォトジェニックです)

フライングVにもいろいろあるのですが、この初期タイプの黄色が一番好きなもので、衝動買いしてしまいました。

そこで今回のライブはこのVを使おうという事になりました。やっぱりこのタイプはライブ栄えしますから。

前のオーナー様によるものでしょうか。かっちょいいステッカーチューンが施されています。よく見るとこれはイエモンのバックステージパスではありませんか!

といっても、現状のままというわけにもゆかず、ちょこちょこ手直しが必要です。

まず一番の問題は弦高が高すぎた事です。弾けない事もないのですが、もう少し低くできると有難いといった具合でした。

しかし既にブリッジサドルは一杯まで低くなっていて、これ以上低くできません。確認したところネックが若干ですが順反りしていました。はたしてこれが原因なのでしょうか?

だとすれば対策はひとつ。トラスロッドカバーを外してトラスロッドを調整してみましょう。早速レンチを差し込んでみたところ……「ん?」何か違和感が……。レンチの先のカチャカチャという感触は一体……? ロッドの調整口をよく見てみると、そこには衝撃の事実が……。何とロッドを締めるナットがユルユル状態なのでした。

まあ……この状態でネックの反りがこの程度というのは、それはそれで有難いのかもしれません。ナットを軽く締めたところ、ちゃんと効いていたので一安心。ここはこのままにしておきましょう。弦高が十分下がるまで締めてしまうと、逆反り状態になってしまいそうだったので。

さて、そうなると次なる対策は「ネックの仕込み角を変える」です。「仕込み角」とは何ぞや?

ギブソン系のギターは、ボディとネックが一直線ではなく、ほんの僅かな山形となるように角度がつけられており(およそ5度)、それによって弦高がちょうどよくなっているのです。

具体的にはどうやるかと申しますと、ネックとボディの接合部に「シム」という薄いパーツを挟んでやるだけです。このシムの厚さによって角度を調整できるというわけです。

これがシムです。ただの薄い紙みたいなものでした。こいつをボディ側の二本のボルトに挟んでやると、仕込み角が発生するというわけです。今回は0.5㎜と0.25㎜の二枚重ねでいきました。

で、実際にシムを仕込んでみたところ、これが大成功。弦高を調整できる十分な余裕ができました。ブリッジを下げれはベタづけまでいけます。凄いです、仕込み角!

ちなみにこの方法、このギターがジョイントネックだったからこそできる技でもあります。本家ギブソンはセットネックですので、こんな事はできませんから。

さて。これで一番の問題がクリアできたわけです。後は、ライブに向けて他の箇所をカスタマイズして行きましょう。楽しい作業の始まり!

……の、はずだったのですが。

続きはまたこの後に。