自作ファイヤーバード(38)フレット打込み

フレットの打込みです。長らくやってきた自作ファイヤーバード。なかなかハードな工程にさしかかりました。初めてのフレット打込み。さて。

フレットには様々なサイズがあるようで、好みのものを選ぶのが正解だとは思うのですが、正直よくわかりません(そもそも下手なので)。

ずいぶんと前に買ったフレット。ギターワークスさんのものと、ジェスカー社のもの。Gibsonサイズのものと、少し太めのサイズのもの。右端の黒いのはクイキリと呼ばれるニッパーです。

考えてもしかたないので、ここは素直に本家Gibsonで使われている『ミディアムハイ』というサイズでいきましょう。

一袋に24本入っております。制作中のファイヤーバードは22フレットですので、2本余る計算となります。

フレット溝を掘り直し(指板のアール加工で浅くなっているので)、溝を掃除。そしてクイキリと呼ばれるニッパーを使いフレットのサイズをおおまかに整え、両端のフレットタンをカット。早速打っていきましょう。使うのは普通のトンカチです。

ところが…ところが…ところが…

打てども打てどもフレットが入っていきません。力を込めて叩き込む勢いでトンカチを打っても、ピカピカだったフレットの表面が傷ついてゆくだけ。3本のフレットをダメにした上(2本までなら許された)、これ以上やると指板まで傷つけてしまいそうなので一旦ストップ。落ち着こう。

なかなか入らないフレット。1フレット目ごどうにか入った…と思いきや、何か緩くてすぐ抜けそう …。

こういう時は先人の知恵を頼るに限ります。検索検索。なるほど色々と知らなかった事などもあり勉強になりました(フレットは指板のアールよりも少しキツめのアールにしてやる等)。しかし皆さん、さほど苦労する事なく打ち込んでいる様子。一体何がいけないのか

失敗の原因ほ依然わからないままではありますが、アプローチを変えます。ボール盤を使う事にしました。叩き込むのではなく、専用の治具を使いフレットを溝に押し込んでやるという方法です。

新たに購入したフレット挿入用の道具(名前がよくわからない)と、束売りのフレット。YJBパーツ製。35センチのものが20本入ってます。これならいくらでも失敗できます。
名前のよくわからない道具。指板のアールに合わせた先端パーツが3種類はいっています。
こいつをボール盤につけてぐいっと押し込むという寸法です。
棒の部分は分解可能でしたので、こいつ自身をハンマーで叩くなどもできそうです。

結果、驚くほどスンナリ、ガッチリとフレットを固定できました。よかったよかった。

フレットをマスキングで保護。
溝も綺麗にしましょう。
フレットは指板のアールよりも、少しキツめのアールにしてやるのがいいそうです。これは全く知りませんでした。購入したフレットは12インチアールほぼピッタリだったので、少しアールをつけてやりましょう。
フレットのアール加工にはクイキリを使いました。が…あまり上手くできません。専用の工具があるらしいのですが、今回はこのやり方で頑張ってみました。
フレットタングと呼ばれる下(舌?)の部分。左右を3ミリ程カットします。理由は何なのでしょう?よくわかりません。これもクイキリでやったのですが、あんまりキレイにできなかったうえに、端だけアールが緩くなってしまいました。こちらも専用工具があるらしいのですが…。
フレットごとに長さを調整したものを並べます。プラモのパーツ乾燥用の台を使いました。プラモ道具が役に立つと何か嬉しいですね。
ボール盤に固定したの図。ハンドルをおろしてグイッとやります。これを22本やるわけですが、全く苦ではありませんでした。
バッチリ入ったフレット。手で引っ張ってもビクともしません。

失敗の原因は未だわかりません。アールを余分につけなかった事がいけなかったのか? 溝の掘り直しが甘かったのか? 溝のゴミ掃除が足りなかったのか? この辺りは、またの機会に検証してゆきましょう。

次に無事に打ち込まれたフレットの両端を処理します。クイキリでカットした状態では切断面にバリなどがありギターとして弾きにくいどころか大変危険です。ヤスリを使って好みの形に仕上げてゆきます。

ヤスリはいくつか試した結果、ダイヤモンドヤスリがとても気に入りました。先の尖った形状が非常に使いやすかったです。

メーカー忘れましたが、この形状がフレット用になかなかナイスでした。削れ感も筆者的にオッケーな感じ。
テキトーな真っ直ぐな当て木に耐水ペーパー(400〜600位だったかな?)を貼り付けてフレットの高さを調整。

フレットの処理。楽しい工程ではあったのですが、なかなか骨の折れる作業でした。22×2箇所をゴリゴリ削るわけなので。これだけで1日分の体力と気力を使い果たした気がします。

フレットが打ち込まれたファイヤーバードは、まさにギター!って感じになってきた感じですね! さあどんどん進めましょう!!