何かを切ったり削ったりする時に材料を固定する道具をバイスといいます。クランプなどもそうですが、あるととても便利なので筆者も何種類か所有しています。ボール盤のテーブルに材料を固定するボール盤バイス。細いドリルに取っ手をつけてグリグリ回すピンバイスとかもバイスの一種。
ところが、です。「ここで、こういう形のバイスがあるといいのになぁ〜」という場面がけっこうあるんです。何でも買える便利な世の中ではありますが、毎度毎度、都合のいい形のバイスはお店には売っていません。
ないなら作る、がモットー。今回ほしいのは木材を固定する「木工バイス」。もちろん作ったことはありませんが、木工バイスは構造もそんなに難しいものではありませんし、ネットを検索すると作例がたくさんでてきますので迷わずゴー!!!
使うのはテキトーな木材。寸切りボルト(今回は12ミリ径の30センチくらいのもの)。ナット。ワッシャー。ボルト用ハンドル。
木材は何でもいいと思いますが頑丈で重いやつがいいような気がします。今回使ったのは、何かを作った時に余った角材。種類は何でしょうね? 松かな? タイトボンドで接着したものを二組作ります。
24時間放置してボンドが固まったら、次は穴を空けましょう。今回は12ミリの穴をズドンと2ヶ所ずつ。
片方にはボルトが収まるようにやや大きめ径の穴を空けます。内径12ミリのボルトが固定できるようにノミを使って六角形に加工します。恥ずかしながら筆者、この歳になるまでノミという道具を使った事がありませんでした。初ノミ体験。いやいや楽しいですねノミ。これはクセになりそう。
ボルトが収まったらさらに径の大きなワッシャーで蓋をします。問題はこのワッシャーの固定方法なのですが、いろいろネットで作例を検索し、今回は端をビスで止めるという手段を選びました。しかし、これが意外に難しく、片方は何発か失敗。少々残念な見た目に……。まあでも早く完成させて使いたいので、やり直しせず作業続行であります。
ここまで来たら後は簡単。二組の角材にテキトーな長さのボルトを通して、片方の端にハンドルをつけて完成です。
使ってみた感想としては、このズシリとした重さが頼もしく、小さな材からそこそこ大きなものまでガッチリくわえてくれるので作業が格段にスピードアップしました。ただハンドルを回転させるとき左右のバランスを気をつけないと、動かし辛くなってしまう事があります。穴をやや大きめにするなどして遊びをもたせてやるといいのかもしれません。
ジグなどもそうですが、何かを作るための道具を作る。こういう工作もおもしろいものです。さて、この木工バイス、一体何を挟むのかというと……それはまた次回に!