レスポール・キット(11)バック着色

レスポールに色を付けてゆきます。まずは裏側からいきましょう。表と裏、どっちからでもいいとは思うのですが、多少失敗しても裏側なら目立たないので。だいたいギターの裏って、使っているうちにベルトのバックルなどが擦れてガリガリ状態になってしまうんですよね。その昔、初めて買ったギターの裏側が、気づいたら傷だらけになっていたのを見てショックを受けたものです。

書籍やネットで調べた限りではありますが、ギターの塗装の工程について、知り得た範囲でまとめておきましょう。通常の塗装による着色で行く場合の大雑把な工程は次のようになります。

(1)ウッドプライマーを吹きつける(木材に塗料などが染み込むのを止めます)。

(2)サンディングシーラーを塗る(塗装前に表面を滑らかに整えます)。

(3)ラッカー塗料などで着色(いわゆる色づけです)。

(4)クリヤー塗装(表面の保護と艶出し)。

……という感じです。そしてもう一つ、より木目を活かした仕上がりを目指したいのであれば「ステイン」と呼ばれる染料を使った方法もあります。この場合、工程(1)のウッドプライマーの前に行うこになり、(3)のラッカー塗装も省略しても大丈夫という事になります。ただし、ネットで見つけた作例によってはウッドプライマーの後にステインの着色を行うというものもありました。はたしてどれが正解なのか? 正直よくわかりません。あえて色々な方法を試してみるのも楽しいかもしれません。とりあえず今回はステイン→ウッドプライマーの順でいってみる事にしましょう。

またしても前置きが長くなりました。早速ステインによる着色作業を進めましょう。今回使用したのは水性ステインです。ステインにはこの水性ステインの他に色々種類がありまして、家具などに使われる事の多いオイルステイン、そしてアルコールで薄めるステインなどがあります。今回はホームセンターなどで手軽に入手できて、なおかつ水で薄める事ができるという理由から水性ステインを選んでみましたが、先々はアルコールのステインも試してみたいものです。

ワシンの水性ポアーステイン(マホガニー色)。だいたいどこのホームセンターでも売っています。色の種類も様々で混色もできます。
アサヒペンの水性ステイン。新製品でしょうか? 近所のホームセンターで見かけたので買ってみました。同じくたくさんの色が売っています。

マホガニー色に赤を混ぜてなんとなく理想の色を目指します。個人的に「レスポールのバックは赤」というイメージだったので、深く考えずに赤にしてしまいました。他の色も検討すべきだった気づいたのは後の事です。ステインの着色にはタンポと呼ばれる綿をガーゼで包んだを使用するのが一般的なようですが、面倒くさいのでウエスでやってしまいます。

何度かステインを塗り重ねた裏面。バインディングと表面はマスキングで保護してあります。

一度全体にステインを塗ると、たちまち木の表面がささくれてきまました。なのでサンディングをして、また塗ってを繰り返すことになります。当然どんどん色が濃くなってゆきます。もう少しステインを薄めにしておけばよかったのかもしれません。まあ、バックについてはそれほど気にせず、だいたい色がついたらトップ面にとりかかりましょう。