レスポール・キット(14)クリアー塗装

レスポールのバインディングの筆塗り塗装もどうにか終わりました。思った通り、ムラやはみ出しだらけです。まあでも、遠くから見たらわからないし、むしろ年季が入って見えるし、はくがつくのではないか……などと自分に言い訳をしながら、いよいよクリアー塗装にはいります。

さて、まずは前回マスキングテープとともに剥がれてしまったボディ裏の赤色の補修をしてゆきましょう。今回はラッカースプレーのクリアーレッド(プラモデル用)を吹いてごまかす事にしました。剥がれた箇所はたくさんありますが、ひとつひとつはそんなに大きなものでもなかったので、どうにかいけると思います。

はい吹きました。クリアーレッドによる補修はなかなか正解だったようです。そしてついでにもうひとつ。トップ面の端っこをクリアーオレンジを吹いてゆきます。というのも、オレンジ色のステインをしてからそこそこ時間が経ったせいか、塗りたての印象よりも薄くなってしまっていたからです。というわけで吹いてみたところこれも実に大正解でした。むしろステインじゃなく、初めからこっちにした方がよかったのでは?と思えるほどです。

ヘッドも黒で塗りました。こちらも同じくプラモデル用の缶スプレーです。手元にはツヤ消し版しかなかったのですが、上からクリアーを吹くので問題ないでしょう。

 

ここでまたまた知ったばかりの知識をひとつ。ギターのクリアー塗装には大きく、ウレタン塗装と、ラッカー塗装という2種類のパターンが存在しています。お店で売られているギターのほとんどが前者のウレタン塗装によるもので、ラッカーにくらべ圧倒的に塗膜が強く見た目もきれいになるそうです。ではラッカー塗装はどうかというと「音がいい」とのこと。なにやら聞くところによると、ギターはそもそも塗膜が薄いほうが(むしろ塗装をしないほうが)木材による本来の音が出るとかどうとか。

とまあ塗装にもいろいろあるわけですが、今回はラッカー塗装でいくことにしました。正直、音についてはそれほどこだわりはないのですが、ラッカーの方がスプレー値段が安いということと、後で剥がしやすいという理由からこちらに決めました。「ラッカー」とひとくちに言っても、その中身はいろいろ種類があるそうです。実はこれまったく知りませんでした。アクリル、ニトロセルロース、それらにシリコンが配合されたものなど……。とまあいろいろあるのですが、今回はあまり深く考えずにホームセンターに売っていたアクリルシリコンのやつにしてみました。

この頃は本当に毎日雨ばかりで、なかなか晴れる日がありません。そんな中のわずかな晴天を狙ってクリアー塗装をしてゆきます。30分〜1時間ほど間隔をあけて何度も重ねては乾かしてゆきます。外にたてかけたり、物干し竿にぶらさげたり、いろいろ試したのですが、ラッカーのニオイも強烈で、どうにもやりづらいので、急きょ塗装ハンガーを作りました。

使っていなかったラティスにフックを固定しただけの簡単な塗装ハンガーです。
もうすこし高い位置に吊るせるとよかったですね。後で調整しましょう。

ラッカースプレーは最終的に2缶まるまる使い切りました。気持ちとしてはもう少し重ねたかったのですが、ライブに向けてのスタジオ練習が始まってしまうのでどうにか間に合わせようと早めに切り上げました。まあクリアーは後で上からいくらでも重ねられますからね。

十分に乾いたら研磨してゆきます。クリアが垂れて固まってしまった箇所などをならすために600番から始めて、800番、1000番と水研ぎしてゆきます。そしてコンパウンドでさらに磨いてゆきます。だんだんと光沢が出て、なにより手触りが変わってゆく感じは実に気持ちのいいものですね。(時間に追われながらの作業だったせいもあり、このあたり写真がなくてすみません……)さて次はいよいよパーツを組み込んでゆきます! とうとうゴールが見えてきました!