自作ファイヤーバード(29)指板アール

年初めから更新サボり気味の当ブログ。頑張って続けてゆきましょう。今回は、前回ポジションマークを埋めた指板にアールをつけていきます。

そうなんです。ギターの指板には、緩やかなアール(丸み)がついているんですね。そしてこのアール、ギターによって様々です。ストラトなどのフェンダー製ギターは比較的丸みが強く、反対にレスポールなどギブソン製は平らに近いという印象。

アールの整形には様々なメーカーから専用の当て木が販売されています。筆者が買ったのはホスコ製の物。表裏で異なるアールに対応しております。

写真の上側が254、下が305。アールというのは円の半径を表しておりますので、『305ミリの半径の円を書いたときの丸み』ということ。なので数字が大きい程平らに近くなります。

今回ファイヤーバードで使うのは305アール。こちらの面にサンドペーパーを固定して指板を削ってゆきます。

作業は特に難しい事はなく、ひたすら削るだけ。やってみてわかったポイントとしましては……

『ポジションマークのインレイはなるべくツライチ近くまで埋めるが吉』

前回接着したドットインレイは、全体的に出っ張り気味だったため、指板にアールをつける前に飛び出たインレイを削らなくてはなりませんでした。意外とこれが面倒で……。

色鉛筆で軽く塗ってから作業すると、削れてる箇所がわかりやすいです。

インレイが大体ツライチになったら、早速作業開始。ひたすらサンディングしてゆくと、次第にアールが出現してきます。指で触るとわかるのですが、ただの木材がギターになってゆく感じとでもいいましょうか。プチ感動。

さて、どれくらい削ればいいのか? 握ってみるとソコソコいい感じな気もするのですが、フレットを打って弦を張ってみない事にはなかなかわかりませんな…。あまり深追いせずに先の工程に進むとしましょうかね。今回はひとまずここで。

自作ファイヤーバード(28)ポジションマーク

すっかりマジンガーブログと化していましたが、ちゃんとギター工作もやっております。というわけで新年一発目の投稿。

指板にポジションマークを入れてゆきます。先人の皆様の作例などを見るとオリジナルデザインのインレイを入れている方が多く、筆者もここはカッチョイイのをひとつ……などと思っていました。しかし今回はぐっと我慢。最もシンプルなドットインレイでゆくことにしました。本家ファイャーバード1もドットですし、「早く仕上げたくなった」というのが一番の理由です。

今回用意したのはMusiclily製のパールインレイ。Musiclily、元々パーツ製造をやっていた会社が立ち上げたチャイナブランドだそうで、最近Amazonでは大々的に売り出してますね。

注文したのは直径6㍉のもの。色や厚みにはバラ付きがありますが、まあ特に気にすることもないかと。

で、指板に穴を掘ってゆくわけです。バンドドリルやボール盤もいいのですが、ここは慎重を期してデカいピンバイスでゆくことに。しかし…!

ドリルだと穴の底がヘンテコな形になってしまう事が判明! まあ底なんてそんなに大事じゃないとは思うんですけどね。力のかかる部分でもないし。でも何か気になる……。ということで、トリマービットをボール盤に咥えさせてやってみる事にしました。(しかしこの判断が後に大きな失敗を招くことに…)

さすがトリマービットは削った穴の底が真っ平ら! 気持ちいい! ボール盤で使ってもとくに問題無さそうです。と思った矢先……あああ!!!

切削中にネック本体がズレて穴もズレてしまったああああああ!!! 固定が甘かった……。そうなんです。ペグ穴の時も感じておりましたが、この長さのものをボール盤に固定して、さらに位置合わせをするのが非常に面倒くさいのです。(スルーネックなので長さはほぼギターそのものですから)「慎重に」などと常々言っておきながら、こうしてズボラな作業をしてしまうんですよ。そうなんですよ。

にしても、どの方法が正しかったのか……? 今後の課題ですな。

気を取り直し、ドットインレイを接着してゆきましょう! 今回はエポキシ接着剤を使ってみました。

というわけで接着完了です。ごめんなさい。動揺のあまり出来上がった写真がありません……。

まだまだ安心して暮らせる日は来ませんが、今年は少しでもみんなが笑顔になれるいい年になりますように!

自作ファイヤーバード(27)ネック整形

さて自作ファイヤーバードの製作を進めましょう。今回はネックの整形です。ギターのネックらしい丸みをつけてゆきます。

これまでも何度かありましたが、今回も…いや、今までで一番『失敗できない工程』と言えるかもしれません。失敗というのは、つまり『削りすぎ』。まあ最悪の事態となってもパテで修正してつぶし塗装にすればいいわけで……などと、あれこれ心の準備。

調べた限りでは、ネックの削り方や使用する道具なども人によって様々で、はたしてどの方法でやればいいのやら……と考えた結果、シンプルに『ノコヤスリでひたすら削る』ことにしました。理由は色々あるのですが慣れない道具を試すよりもいいかなと。

ノコヤスリです。背中を手で支えると痛いので着脱可能な端材を取り付けております。

前置きはこのくらいにして作業開始。マスキングテープをガイドにして、慎重に削ってゆきます。

マスキングテープのガイドは「ここはまだ削っちゃいかんぞ」という目印です。恐る恐る削ってゆきます。

削り初めてわかったのが、『意外と簡単』という事。ノコヤスリのパワーと、マホガニーの適度な硬さのおかげでしょうか。サクサクと思うように削れてゆきます。まあ気をつけるべきは『削りすぎ』ですから、気は抜けません。

鉄やすりなんかも使ってみたり。

1〜2時間作業したところ、まあまあそれっぽく見える形となりました。うん。やはり簡単。もっと早くトライしてみるべきでした。

ヘッドと繋がる部分も削ってゆきます。ここはナイフで慎重に。
なかなかいい感じ。
なかなかそれっぽくなったのではないでしょうか。こうしてみると、ネック部はマホガニーというより、ほとんどウォルナットですね。

ついでに、ヘッド裏のチップした箇所の修正もしました。えぐれた箇所をざっと整えて端材を貼り付けて削ります。

完成してもいないのに修理。当ブログではよくあること。まずはマホガニー部分から。
ナイフで少しずつ整形。パキッと取れてしまわないか心配…。
同様にウォルナット部部も。
ぱっと見はどうにかなりました。

そんなわけでどんどん進めましょう。年内どこまでいけるか……?

自作ファイヤーバード(26)ペグ穴

製作中のファイヤーバード。今回はペグ穴を開けます。

まずは取り付けるペグを決めます。ファイヤーバードのペグは、クルーソン製のバンジョーペグと、スタインバーガーのギアレスチューナーという2種類が定番です。

新品で購入してあったクルーソン・バンジョーペグ(左)と、スタインバーガー・ギアレスチューナー(右)。バンジョー君はファイヤーバードを作り始めて、ここまでの年月を経て、さすがに箱がへたってますな。

さてどちらをつけようか……? ものすごく悩みました。何と言ってもオリジナルはバンジョー。でもスタインバーガーもカッコイイ。うーむ。決断の時!

悩みに悩んで今回はバンジョーペグでゆくことに決めました。スタインバーガーはこの先、新たにファイヤーバードを作る時に使用する事にしました。(そんな時が来るのか?)

早速ペグ穴を開けましょう。ブッシュの径を測ってみると……10.29ミリ?

さてはおぬしインチの者だな?

調べたのですが、10.29ミリに近いインチサイズというのが見つけられませんでした。インチ文化はホントにどうにかしてほいものです。

当然このようなサイズのドリルは持っていないのですが、10ミリで開けてからリーマーか何かで拡張すれば何とかなるのでは?

というわけでまず、2ミリのビットで下穴を開けましょう。本体を自慢のボール盤に固定して慎重にいきます。

前回イマイチ活躍ができなかったテンプレートですが、これをガイドに下穴を開けます。2ミリでいきましたが、もう少し太い方がよかった気も。ボール盤といえどビットが細すぎると材料の硬さに負けて僅かに曲がってしまう事も……。

そしていざ本番。1ミリのドリルで穴を開けます。一本ずつ、ドリルが垂直になるようにクランプで固定→穴あけ→移動を繰り返します。面倒くさい工程ではありますが、6本だけなので集中力を切らせずに頑張れました。

まだボディ材がついていないとはいえ、長い本体を斜めに固定するのは、それなりに面倒くさいです。

結果、チップもせずに無事に終了。やはりボール盤は頼りになります。

今回はここまで。年内に完成はさすがに厳しそうですが……できる所ま頑張るぞ!

自作ファイヤーバード(25)突板製作

秋です。夏は塗装関連をいろいろ頑張ろうと思っていたのですが、ぜんぜんできませんでした。そんな中で自作ファイヤーバードの進捗。今回は突板加工です。

突板(つきいた)、いわゆるヘッドの顔に貼る装飾剤ですな。ファイヤーバードの場合、ヘッド材と突板との2トーンスタイルとなっており、筆者的に大好きポイントでもあります。頑張りましょう。

材料はアイモクさんで購入したエボニー2ミリ厚。テンプレートに固定して、外周をザックリとジグソーテーブルでカット。そしてトリマーテーブルでズギャギャギャーン!

イメージトレーニングではとてもキレイな突板が完成する予定だったのですが、トリマー作業でバキッと破損…! 最近トリマーとの相性がよくない気がします…。

気を取り直し予備の材料で再トライ!反省点としてはさすがに2ミリ厚の材料では少しの油断が大失敗を招くということなのでしょう。刃の回転方向が木目に逆らわないように慎重に。電圧を落とし回転数もやや遅く。反対からMDF剤を追加してテンプレートとサンドイッチ。

ジグソー後の様子。ここまでは問題ないんですがね…。

ジグソーまではいい感じです。ではいざトリマー再トライ!

バキ!

また失敗(ショックのあまり画像なし)。もう予備もなし。どういう手法で加工するべきだったのか…正解が見えません。

一ヵ月ほど悩んで結論。これはつまり「手作業で行け」ということなのでしょう。

ナイフやヤスリで少しづつ削って整形してゆきます。テンプレートは…まあないよりはやり易いかな?

材料の追加注文も考えたのですが、このエボニーの突板材、サイズの割にそこそこお値段だったり、また失敗する可能性も大。なので失敗した手元の材料を「つぎはぎ」でゆくことに。

完成した突板。トラスロッド調整穴もあけました。結果、2箇所ほどツギハギに。

出来上がったら早速貼り付けましょう。使うのはお馴染みタイトボンド君です。

今回もホールロッタクランプ。がっちり圧着します。
細かい欠片も無くさないうちにつけちゃいましょう!

はい。なかなか上手くいった気がします。やはり突板がつくとグッとファイヤーバードになりますねー。

突板装着完了の図。まだ継ぎ目がはっきり判りますが、塗装で何とかなる予定。両サイドのエラの下がガビガビしてますが、これはヘッド材と一緒に整形するためのものです。

さてさて今年も終わりが見えて来ました。諸々工作中の案件は年内でどこまで出来るかにゃ?

 

 

ジャンクでディンキー(3)

ジャンクディンキー組み立ての続きです。ネックジョイントの次はブリッジ。このギターにはフロイドローズタイプと呼ばれるブリッジが使用されてます。アームでギュインギュインやってもチューニングが狂わないという画期的なシロモノ。

例によって某フリマサイトでフェルナンデス製のジャンクなフロイドローズタイプを入手しました。ジャンクというだけあってアームをはじめとしたいろいろなパーツがついておりません。「足りない部品を揃えて行くのも楽しかろう」などと思っていたのですが、さて……、

今回入手したフェルナンデスのフロイドローズタイプのジャンク品。

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ジャンクでディンキー(2)

またまた間が空いてしまいました。久しぶりの投稿はジャンクパーツからつくるディンキータイプのつづきです。

前回、格安でボディを入手して以降、その他のパーツも少しずつ集めておりまして、ある程度揃ったので仮組みしてみたいと思います。

まずはネック。いつものように某フリマサイトにての購入です。何とJacksonであります。ディンキーの本家ですな。ヘッドの一部に補修跡があります。また壊れるかもしれませんが、その時はまた直せばいいのでまったく気にしません。

やっぱりディンキータイプと言えばJackson!欲を言えばメイプル指板のリバースヘッドが良かったのですが、贅沢は言いますまい。
6弦ペグ穴付近に破損跡がありますが、そのおかげでお手頃価格だったのでOK!

ボディと合わせたところ、僅かに緩く、ガタがあったので修正。ジャンクギターの難しいポイントですが、地道にやります。今回も一発でセンターが決まらず、さらに修正してどうにか理想の位置に収める事がでしました。

メイプルの木材を張り付けてから、ネックエンドの形に合わせてトリマーで整形。ジャンクギターを組み立てるにはこの難関を通らなければなりません。

ネックジョイント用のネジ類は新品を用意しました。当初は一般的な4ミリビスでいこうと思ったのですが、改めてジョイント部を見ると結構穴がデカいことが発覚。しかしサウンドハウスさんでもなかなか5ミリのネック用ビスは見つけられません。そこでモノタロウを探した所…おお、あった! さすがモノタロウ。

ジョイントブッシュは入手しやすいのですが、5ミリのビスはあまり売ってないのかな?モノタロウで見つけたのはギター専用ではないのですがピッタリ!今回は30、35、40ミリの長さのものを使いました。

早速合体させましょう。当たり前ですがボディとネックが合わさるとギター感がグンと増します。持った時の感じが最高なんですよね。「へぇ、お前ってこんな重さなんだねー」みたいな。

製作中のレスポールJr.と記念撮影。

次回はその他のパーツを取り付けてゆきましょう!

自作ファイヤーバード(24)ヘッド厚調整

ファイヤーバードの製作を少し進めました。今回はヘッド部の厚みを調整します。

用意しているペグを使うにあたり、ヘッドの厚みを15ミリほどにする必要があります。ファイヤーバードのヘッドは表面に装飾用の板が乗るので、その厚み約2ミリを引いた13ミリにしなくてはなりません。現在の厚みを測ると約16ミリ。

3ミリも薄くするのか…。ヤスリでやるには少々骨が折れる作業になりそう。時間もかかるし。うーむ。一体どうすれば?

そんな時は電気工具の力を借りるに限ります。ヘッドを裏向きにして固定。即席のガイドを作りトリマーで一気に削ってしまう事にしました。

さすがトリマーさん。音はうるさいが威力はパネーっス。ヘッドは無事に約13ミリになしました。しかし…、

ぐえええええ…!!!!!

2箇所ほどチップしてるうううう!

しかし、トリマーを恨むのは筋違いというもの。使い方が、目的が、間違っていたという事なのでしょう。

しかし、だからといって一体どうすればよかったというのですかあああああ?

答えはひとつ。

『トリマーで材の端までは削らず、残りは手作業でやる』

これだ。きっとこれだ…。

まだまだ修行が足りませんな。

 

ジャンクでディンキー(1)

しばしの間ジャンクパーツ漁りを控えておりました。(理由は当サイトの更新具合からお察しいただけるかと)

ところが……ここに来て急激に「ディンキータイプのギターを触りたい!」という欲望が。そして某フリマサイトにて格安のボディーを発見! 思わず購入してしまった次第です。

つい最近までこの手のギターにはまったく食指が動かなかったのですが、趣味嗜好というのは変わるものですね。

全体にワイルドにブラックが塗ってあります。ところどころ湿気でかぶれていたりしますが、そこが何とも「自分でやったぜ」感が出ていいですね。こういうの大好き! ピックアップはシングル・シングル・ハム。そしてブリッジはフロイドローズが乗っていたようです。
ブリッジ後方に何やら謎の空間が!? このボディはフェルナンデス製という事でしたが…サスティナー搭載モデル?にしてはキャビティが小さいか。普通のアクティブ仕様かな?

ディンキータイプとは、ジャクソンの『ディンキー』モデルが元になった呼び方だそうで、スーパーストラトなどとも呼ばれてるみたいです。割りとメタルの人が(速弾きとかする人が)よく使う印象ですね。筆者は速弾きどころか普通の速さでもヘロヘロなんですが……。

思い出せば筆者が中学、高校の頃は友人たちはこのタイプを使っていた印象があります。そのせいか、このデザインがどことなく中二心をくすぐる気がしてワクワクするのです。

ネックジョイント部に亀裂発見! ドンマイドンマイ! むしろ亀裂ドンと来い! な気持ちでゆきましょう!

てな感じで、これからいろいろパーツを集めてゆこうとお思います。

もちろん、他のギターも少しずつやってます。本当です。

自作ファイャーバード(23)ネックサイド整形

指板の再接着もどうにか上手くいったようです。次はこの指板に合わせてネックサイドのシェイプを整形します。

以前にも増して(?)ガッチリ接着された指板。

とのその前に『トリマーテーブル』を作ってみることにします。

実は以前作ったジグソーテーブル、あらかじめ中央のメカ部分を交換できるように作っておきました。この部分だけを交換することでトリマーテーブルとしても使えるという寸法です。

こちら以前作ったジグソーテーブル。大活躍してくれてます。

まずはジグソーの時々同じようにMDF板でぴったりサイズのをプレート作成します。裏側にトリマーのアダプター部分を固定して穴を開けたら完成です。簡単ですね。

裏っ側から見たところ。トリマーがぶら下がっています。若干上下の余裕が足りず、ビットを交換する際毎回プレートごと外さなくてはならないのが残念ポイント。

早速使ってみましょう。

ベアリング付きのトリマービットを使用して、指板をテンプレート代わりにしてネックサイドを削ってゆきます。

トリマーテーブルいいですね。当然ながらトリマーを手に持って使うよりも安定します。シチュエーションによっては大活躍してくれそう。

さてさて、まだまだ寒いですが、暖かくなるころには塗装まで漕ぎ着けたいところで。時間の許す限り進めてゆきましょう!