レスポール・キット(17)ライブ仕様

とりあえず完成した格安レスポールキット。せっかくなので趣味でやっているコピーバンドのライブで使ってみることにしました。といってもさすがにそのままの状態で本番にのぞむには不安な箇所がたくさんあったので、いくつかのパーツを交換してみました。

まずボリューム&トーンのコントロールポッド。固すぎて回すのにいちいち若干の力がいる感じで使いづらいので、まずこれらを取り替えました。交換用ポッド、つまりはツマミのつけられる可変抵抗器なわけですが、これには当然いろいろ種類のものが存在します。通常レスポールで使うのはボリュームが500kΩAカーブ、トーンが500kΩBカーブとなっているようです。AカーブとBカーブというのは、ツマミを回した時に変化する抵抗値の曲線の種類の違いです。Aは真っ直ぐ、Bは放物線的にギュインと変化する…といった感じでしょうか。楽器やパーツを取り扱っているショップサイトなどで検索すればすぐに見つかります。とはいえ同じ抵抗値のポッドでもメーカーもお値段もいろいろあって迷ってしまいます。今回は「国産」という謳い文句につられフェルナンデスのものを選んでみました。フロント&リヤ、ボリューム&トーン、合わせて計4個。結果、ツマミの固さも、音も問題なく使用できております。ついでにトーン回路で使うコンデンサ×2も買いましたが、ノイズ対策であれこれ配線をいじっているうちに面倒くさくなり、トーンごと外してしまいました。

フェルナンデスの500kΩコントロールポッド。サウンドハウス様でA486円(税込み)、B453円(税込み)でした。本体サイズは24ミリ。ついでにトーン回路用のコンデンサも買いましたが結局使用せず。

続いてはピックアップです。キットに付属していたものは、スタジオのマーシャルで鳴らすとハウリングがひどく、スピーカーとの立ち位置をいくら変えても改善できないという状態。あれこれ原因を調べてみたところ、金属カバーのしてあるハムバッカータイプのピックアップは、カバーと本体の間に隙間があるとここが共鳴(共振?)する事でハウリングを起こす場合があるそうです。古いものや安いものなどは特にこの症状が出るのかもしれません。これを修理するにはピックアップごと溶かしたロウに漬け込んで……といった作業が必要らしいです。ちょっとハードルが高そうなので次回試してみることにして、今回はピックアップを新調することにしました。

ギターの改造・パーツ交換においてもっともメジャーで、音の変化を一番大きく感じられるのがこのピックアップ交換といえるのではないでしょうか。それだけに交換用のピックアップというのが世の中には無数に存在しています。しかもお値段もなかなか。一個だけでこのギターキットの価格を上回るものばかりです。もちろん通販サイトなどを探していると、格安なピックアップも沢山あるのですが、それこそ今回のキットについてきたレベルであろう事は十分予想できます。そんな中、たまたま見つけたのが 、GOTOH Pickupsなるメーカー。ゴトー? あのゴトー? と思いきや、ペグやブリッジなどで有名なあのゴトーとは全く関係ないようです。実は昔から国産ギターのピックアップに採用されていたメーカーとのこと。お値段も有名メーカーのだいたい半分以下。そして今回もメイド・イン・ジャパンという謳い文句につられてこちらを選んで見ました。

GOTOH Pickupsのハムバッカー2個セット。アマゾンで12096円(税込み)でした。クリーム色にしてみたのですが、ゼブラ色にしたほうがよかったかな……とちょっとだけ思ってます。

結果は大満足! もとが格安ピックアップだったせいもあるかもしれませんが、スタジオで鳴らした時の音の大きさもしっかりしていて、ピックアップ部をアンプギリギリまで近づけない限りハウリングも起こりません。

そして次はペグです。キットについてきたグローバータイプのペグは6つのうちいくつかは、遊びが大きいのかガタガタとした感触でチューニングがやりにくかったので、これらも交換することにしました。ギターのペグといえば何といっても、さっきもちらりと出てきたGOTOH(ゴトー)です。などと知ったような口ぶりですが、もちろんギター製作を調べていてはじめて知りました。もちろん他にも有名なメーカーがあるようですが、今回はゴトーにしてみましょう。ゴトーのペグも実に沢山のタイプやサイズがありますが、中でも「マグナムロック」と呼ばれるものを選んでみました。これは糸巻きの部分に弦をロックさせる機能のついたシリーズで、チューニングが狂いづらく、さらに弦の張り替えがしやすいという特徴があります。マグナムロック! かっこいいですね。マグナムロック!

GOTOHのグローバータイプのマグナムロック。
装着してみたところ。思ったよりシャフトが短くギリギリな感じですが、ロック式なのでほとんど弦を巻き付ける必要がないので問題なさそうです。

ゴトーのマグナムロックには二種類あります。ペグを巻いてゆくと自動的に弦がロックされる通常のマグナムロック(MG)。そしてもう一つが裏のダイヤルを回す事で任意にロック(解除)できるマグナムロック・トラッド(MG-T)です。MGは自動的にロックされる機構がある反面、解除するにはドライバーかコインなどの工具が必要となります。一方、MG-Tは工具は不要ですが、自身でロックする必要があります。どちらの機能も甲乙つけがたく魅力的です。スタジオ練習やライブで弦が切れた時に交換するスピードも同等かもしれません。しばし考えた末、今回は工具の必要ないMG-TのSG381 MG-Tを選びました。幸いライブ本番で弦が切れる事は無かったので実践することはありませんでしたが、チューニングもしやすく、数時間慣らした後では演奏中の狂いもほとんどなくとても満足。次はMGタイプも試してみまようかと考え中です。

その他に交換したのはブリッジです。キット付属のブリッジは弾いているとブリッジ部分でやたらと弦が切れます。このブリッジサドルにはあらかじめ深い溝が掘ってあり、おそらくこの溝のバリなどが原因で弦が切れるようです。目立てヤスリなどで削ってみたところ1〜3弦は切れにくくなったものの、今度は4弦が……といった具合で、調整にはしばらく時間がかかりそうです。なので取り急ぎ他のギターに取り付ける予定で以前に買ってあったブリッジをつけました。ToneProsというメーカーのもので定価はそこそこですが、確かゴールドでナッシュビルタイプを探していてちょうどこれだけが在庫あり&半額以下になっていたので買ったように記憶しています。

他はシルバーで、この部分だけゴールドなので外見的には若干ちぐはぐになりましたが、サドルの溝はデフォルトの状態で使用したところ、少なくともスタジオやライブで弦が切れることがなく気持ちよく演奏できるようになりました。

その他にもナット、配線を交換しました。お気づきかもしれませんが、交換部品はすでにギターキット本体の価格を大きく上回っております。購入時から予想していたことなのでまったく気にしておりません。そもそもそのへんの効率を考えるのであれば、最初から安い完成品を買う方がはるかに経済的ですので(塗装剥がすのは一苦労だとは思いますが)。それにピックアップやペグ、ブリッジなどは他のギターでも使い回しがきくので、長い目で見るとそれほどの出費でもない……と自分に言い聞かせております。

オヤイデ電気さんに勧められるがまま配線用に購入したシールド線。1メートル560円(税抜き)でした。ノイズもなくなりいい感じになった……と思います!

そしてライブ用というわけではないのですがギタースタンドにかぶせるカバーも購入。ネックやボディが乗る部分にフワフワになるというものです。買った理由はもちろんカワイイから……ではなく、スタンドのゴム部分がラッカー仕上げのギターとは相性が悪いからなのです。市販のギターのようにウレタン仕上げのものであれば問題ないのですが、今回のようにラッカーの場合、ゴムなどに長時間接触していると表面が化学変化してしまうのです。このフワフワをかぶせておけば、それを防ぐ事ができるというわけですね。

今回買ったのは ARIA(アリア) 「AGB-S:ギタースタンドカバー」です。他にもKIKUTANI / BD-L ギタースタンドプロテクターなど、各メーカーから様々なギタースタンドカバーが出ているようです。なんともデリケートなラッカー塗装。いろいろケアが必要ですね。

さて、まだヘッド部品のロゴが手付かずでした。時間をみて近いうちに取りかかろうと思います。