レスポール・キット(16)ひとまず完成

レスポールキットの完成です。「ひとまず」と書いたのは、まだいろいろいじりたい箇所が残っていたり「手を加える必要がある部品」があるからです。つまりまともに使えるようにするためには、いくつかの部品をまるごと取り換えなくてはならないというわけです。ともあれ「まずはキットのパーツを使って組み上げる」という当初の目標は達成できました。ではお披露目です。人生初の自作ギター(組立キット)の完成でございます。

一体何が起こったのか……? と思われたかもしれません。実はクリアー塗装を乾かしている時間、ボーッとこのレスポールを眺めていて「何か物足りないなぁ」と思ってしまい……気付けばこんな感じになってしまいました。さながら「ぼくが考えたかっこいいギター!」とでもいった感じですかね。もちろん楽器店でこんなレスポールが売っていても買うとは思えませんし、同じく20数万円で買ったレスポールの塗装を剥がしてにこんなふうにする度胸もありません。しかし今回のような格安キットなら失敗を恐れず思いきり塗ったり剥がしたりできるというものです。なのでこれで終わりではなく、これからもあれこれ塗装に手を加えていこうと思っています。そうそう。ヘッドもこのままでは寂しいのでロゴも考えなくてはなりませんね。ライブに間に合えばいいのですが……。(よく見たらトラスロッドカバーも忘れてました……)

では、今回のレスポールキットの各パーツについて、あらためてチェックしてゆきましょう。まず気になったのがボリューム&トーンのコントロールポットです。これがものすごく硬くて、つまみをつけて回してもスッと回ってくれません。ギター用なではなくラジオか何かの可変抵抗なのかな?と思えてしまいます。ライブなどて使う事を考えると交換したほうがよさそうです。

次に気になったのがペグです。捻った時の遊びがものすごく大きくて、ガタガタしてしまうのでチューニングに手間取ってしまいます。やっぱりチューニングは大事ですよね。これも交換しましょう。

続いてブリッジサドル。スタジオで弾いていると、やたらとブリッジ付近で弦が切れます。もしかするとサドルの弦を乗せるミゾにバリがあるのかもしれません。こちらは後でヤスリで調整してみましょう。

そしてその他に。スタジオのマーシャルで試したところどんな立ち位置で試してもハウリングが止まりません。この原因がピックアップである場合はやはり交換という事になるかもしれません。

それからもうひとつ。ボディトップに貼り付けられているメイプル調シートが、場所によって僅かに浮いてしまっています。ぱっと見はわからない程度ですが、よく見ると波打っているのです。空気が入ってしまっているようなのでヤスリで処理するのは難しそうです。これを直す方法はちょっと考えなくてはなりませんね。ボディトップを削り落として、本物のメイプルを貼るとか? ものすごく大変そうですね……。

さらにもうひとつ。これは製作を開始した時から気になっていたのですが、説明が難しいので省略していました。このギターキット、ボディの中心線がズレているのです。といっても、ネックの指版、ネック接合部のザグリ角度、トップ面のカーブ、同じくトップ面の化粧板中心の合わせ目、リアピックアップの位置……どこを基準にしてどこがズレているのか? 一体どこを基準にして設計されているのかわからない状態と申しますか……。今回の製作ではネック接合部の角度と、トップ化粧板の合わせ目を中心線として作業を進めました。他を基準にした場合よりは修正が少なくて済むと判断したからです。その結果、ボディ全体のシルエットが僅かに左側に膨らんでしまう事になりました。これはいつかバインディングを貼り直す時が来たら調整してみようと思います。

その他にも、スイッチ用キャビティの縁の段差部分が足りないせいで蓋のビスがうまく刺せないとか、キットに含まれていたビスの数や種類が微妙に足りないなど……問題点をあげれはキリがありません。これら全て対処した場合、手頃なメーカーのレスポールのコピーモデルの完成品を買った方がはるかに経済的と言えるでしょう。そんな事を全て承知の上で、あえて工作(やトラブル)を楽しみたい人にのみオススメできるキットと言えるかもしれません。

というわけで格安レスポールキットの製作記録はこれからもパーツ交換などまだまだ続きます。それでもひとまずピリオドということで、ここまで読んでいただいた皆様には御礼申し上げます。どうもありがとうございました。そしてお疲れ様でした。

さて次は何を作りましょうかね?