レスポール・キット(12)トップ面着色

レスポールキットのトップ面、いわゆる表面の着色をしてゆきます。バックはマホガニーという木の材質上、導管を埋めるためにとの粉を使いましたが、トップのメイプル(の薄板を貼ったもの)は、木目が細かいのでそのままステインでも大丈夫なようです。

そうそう忘れる所でした。着色作業の前にやる事があったのです。出荷状態で加工されていたリアピックアップ用のザグリ(穴)若干左にズレているため、中心線に合わせてピックアップを装着しようとすると、左側に少しだけザグリが見えてしまうのです。ほんの僅かとは言え隙間が見えてしまうのは気持ち悪いので着色前にこいつを塞ぎます。適当な木片を削り出して接着するだけの簡単な作業です。

ピックアップを入れて中心線に合わせてみたところ。左側にちょっとだけ隙間が出ています。
ヘッドの突板に使った百均木箱の底板です。色的に一番近かいのでこれを使いましょう。
ジョリジョリと削ってピッタリ合う形にしてゆきます。
接着しました。やっぱり塗装より、こういう作業の方が楽しいなぁとあらためて思いました。
表面をヤスってトップ面に合わせました。完全には消えていませんが目立たなくなったのではないでしょうか。

穴埋めが終わりましたので、改めて着色作業にはいりましょう。ネットであれこれといろいろな方の作例など見ていると、ステイン着色する前に「水引き」なる工程を施すとよさげな事が判明しました。これはステインする木の表面を一度水で濡らして毛羽立たせてからヤスリをかけるとうものです。これをすることで後のステイン作業による毛羽立ちを抑える事ができるというわけですね。勉強になります。

水引き&ヤスリがけも済みました。さてどんな色にしよう? この時まで自分の中でだいたいのイメージは出来ていたつもりだったのですが、いざ着色を始めようとするとあれこれ迷ってしまいます。何しろ自分でギターの着色をするなんてのは初めてなもので。とりあえず基本ナチュラルっぽいまま、周囲に薄っすらバースト(ギターでよくあるかっちょいいグラデーションのアレです)がかかった感じと決めてはいたのですが、正直この時まだ迷ってます。もちろんこんな進め方でいいわきゃないのです。しかし前にも書きましたが、完成を逸る焦りと、集中力はすっかり低下しています。「とりあえず黄色を塗ってみよう」どうしてこの判断を下したのか……よく覚えていません。

これはこれでアリだったような気もします。むしろ、ここでやめておけばよかったんじゃ……などという後ろ向きな気持ちさえ浮かんでしまいます。

当たり前ですが真っ黄色になりました。黄色すぎる……とこの時感じたのは覚えています。もっとオレンジっぽい方が好きだ。そう感じた私は次に赤で着色していったのでした……。さてこの後の迷走具合、時間を追って見てゆきましょう。

一応バーストっぽくなってはいるけれど、何だか野暮ったいなあ……。
オレンジっぽくなっているんだけど、何かかっこ悪いなあ……。
何だこの色……。アンティーク家具ならありかもしれないけど欲しいのはこんな色じゃないんだああああ!
気に入らないなどと言いつつ、パーツを置いて見たりして……。うーん……。

 

え〜と……剥がしました。染料とはいってもそんなに染み込んるわけじゃないようです。
赤と黄色を混ぜたオレンジ色であらためて着色。

結局、一度全部剥がしてやり直しました。塗装と違いステインは割と一発勝負なものだと思っていたのですが、そうでもないようですね。縁の部分や表面に前の染料が所々残っていますが、これはこれでかっこいい気がしたので活かす方向でいきましょう。2回目のステインはできるだけ薄く控え目に塗り重ね、ちょっと物足りないかな?という思いを我慢して次の工程・クリア塗装へと進みます。