レスポール・キット(4)ネック接着

ネックとボディを接着します。工作的にはメインイベントといえるのではないでしょうか。わくわくします! はやる気持ちを抑えつつ、接合具合を慎重にチェックしてゆきましょう。前述したようにこのキットは事前にネックとボディの角度などの調整が施されているようです。しかしそれでも若干のガタつきがありました。まずはこのガタつきをなくしてゆきましょう。

ガタつきの原因はネック接合部の右側のわずかな隙間でした。ここを何かで埋める事でできるだけ余分な空間がないようにしてから接着することにします。手近にあった木材を薄く削ってぴったり合う薄い板を作ってゆきます。なんかこういう作業は「ものを作ってる感」があって楽しいですね。

薄い板切れを角材に固定。ノコヤスリでさらに薄く薄く削ってゆきます。

削る〜ネックに挟んでボディにはめてみる〜を繰り返すこと数回。どうにかネックが「キュッ」と入るようになりました。この「キュッ」の具合がはたしてどのくらいが正解なのかよくわかりません。ユルすぎてもいけませんし、キツすぎても受け側に負担がかかり後で破損してしまうかもしれません。今回はグイと押して入るくらい……でいくことにしましたがさてどうなるか。これは完成してしばらく弾いてみるまでわかりません。

ついでに指板とボディトップにできた例の隙間を埋める木片も作りましょう。同様のやり方で削り出してゆきます。

隙間用の木片がいい具合に出来たので、いよいよ接着です。接着剤はタイドボンドという木工用接着剤を使います。ギター製作では定番らしいですね。書籍やいろいろな方のブログなどを見て知りました。塗り残し箇所などないようにネック側、ボディ側両方に少し多めにボンドを塗ってグイと押し込みます。きちんと差し込まれているのを確認したらクランプで固定します。

タイトボンド(130g)。アマゾンで¥600でした。口の部分の仕組みが面白いですね。
溢れたボンドがフロントピックアップ用のザグリ(くぼみ)の底に溜まっているのが見えます。

さてここで、今回最初の失敗です! マスキングをするのをすっかり忘れていたのです。クランプを締めたとたん、とめどもなく溢れてくるボンドがあちこちに…! 濡らした布切れでふき取ることはできるのですが、一度染み込んでしまった箇所には、染料が染み込まなくなってしまうらしいのです。全体を覆い隠して塗ってしまういわゆる潰し塗装であれば問題ないのですが、今回は木目を生かしたステインでいこうと思っていただけにこの失敗は悔やまれます。とはいえ今更どうにもできないので、これについてのリカバリーは後で考えることにしましょう。今はネックとボディが無事にくっついてくれる事を祈って、このまままる1日ほど置いておきます。